Quantcast
Channel: 化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ
Viewing all 407 articles
Browse latest View live

コーセー ジュレーム アミノ サクラファンタジーの解析1 概要&シャンプー解析編

$
0
0

化粧品犬です。

 

コーセーさんから2018/3/5に発売された、ジュレーム アミノ サクラファンタジー シャンプー&トリートメントを解析して行きます。

今回はシャンプー解析編です。

 

おそらく数量限定版で、シャンプー&トリートメントのペアセットしか販売していません。

@cosmeにまだページも無いし、CMなんかもも無いみたいです。

 

もともとジュレームは、お試し容量の限定ペアセット(通常ボトルに、少し量が少なくて値段が安いセット)が良く販売されていたのですが、今回は中身も変えてきた製品です。

 

外観

こんな感じです。

 

これだけ見ると、ジュレームアミノシャンプートリートメントのマイナーチェンジのように思えます。

値段は1250円ぐらいですが、容量は各500ML。

これは通常品と同じ容量なのですが、通常品はセットで買うと1800円ぐらいになってしまうので、かなり安いです。

 

 

概要・解析

先に上げた写真ではちょっと分かりにくいですが、以下が書いてあります、

 

「18種類のアミノ酸×さくらエッセンスGL(保湿)

ふわりさわやかなサクラの香り

特に傷んだ髪を瞬感修復  毛先までつるんと

まとまりを取り戻し、しなやかにつやめく髪へ」 

 

この中の

「特に傷んだ髪を瞬感修復  毛先までつるんと

まとまりを取り戻し、しなやかにつやめく髪へ」

このあたりの表現は、ジュレームアミノシャンプートリートメントと似ていますね。

「瞬感修復」は「瞬間」ではなく、もともと「瞬感」と書いてありました(^_^;)

 

実はこのシャンプーは、現在販売しているジュレームアミノディープモイストシャンプー(2018)のマイナーチェンジ処方になっています。ジュレームアミノにはモイスト&スムースというシャンプートリートメントもあるのですが、そちらではありません。

使用感の良いほうのマイナーチェンジなのでいい感じはするのですが、、、実は次回にに扱うトリートメントに若干問題があります。現在販売しているジュレームアミノディープモイストトリートメントはジュレームをコツコツとバージョンアップしてきた、その成果が出ている、なかなかに使用感の良い処方なのですが、このサクラファンタジートリートメントは、それのマイナーチェンジではありません。

コストダウンの為か、1、2年前のジュレームトリートメントの処方骨格を採用しているのです。

むしろ先日解析を書いた、ビオリス コンディショナーに似た処方骨格です。

シャンプーが良いので、ビオリスより良い仕上がりになるのですが、、ここ1、2年の進化をムダにしているようで、少し残念です。

 

話を戻して、簡単にシャンプーの解析をして行きます。

 

いつものように、裏面の処方を整理します。

ジュレームアミノ サクラファンタジー シャンプーのほかに、その元であると挙げたジュレームアミノ ダメージリペアシャンプー ディープモイスト(2018)も整理しました。

 

原料の配合順は裏面のまま変えずに、機能毎にパート分けし、共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

九通の成分は、共通欄に○印をつけました。

 

こんな感じになりました。

 

違いは、さくらファンタジーの保湿剤のパートにジペプチド-15とソメイヨシノ葉エキスが配合されているだけです。

このジペプチド-15というのは、ディープモイスト(2018)に配合されていたグリシルグリシンの名前が変更になったもので、グリシルグリシンと同じ物です。

よって違いはソメイヨシノ葉エキスの添加のみと言う事になります。

ソメイヨシノ葉エキスは肌荒れ改善効果・抗炎症効果の他、痒み抑制効果や育毛効果、美白効果などマルチな働きを持つエキスです。

これはトリートメントの件が無ければ、価格的には本当にお得ですね。

それ以外の成分に関しては、ジュレームアミノダメージリペアシャンプー ディープモイスト(2018)2解析を見てください。

ほぼ同じだし(^_^;)

 

関連エントリー

コーセージュレームアミノ ダメージリペア ディープモイスト(2018)の解析1 製品概要編2018.1.17追加
コーセージュレームアミノ ダメージリペア ディープモイスト(2018)の解析2 シャンプー解析編2018.1.20追加
コーセージュレームアミノ ダメージリペア ディープモイスト(2018)の解析3 トリートメント解析編2018.1.23追加

 

 

簡単ですけどシャンプー編はこれで終了。

トリートメント解析編に続きます。こっちが本編ですね。

 

 

 

 


コーセー ジュレーム アミノ サクラファンタジー解析2 トリートメント解析編

$
0
0

化粧品犬です。

 

コーセーさんから2018/3/5より発売された、ジュレーム アミノ サクラファンタジー シャンプー&トリートメントを解析しています。

今回はトリートメント解析編です。

概要&スムースシャンプー解析編はこちらをどうぞ。

2018.4.20コーセー ジュレーム アミノ サクラファンタジーの解析1 概要&シャンプー解析編を追加

 

概要編で書いたのですが、このジュレーム アミノ サクラファンタジーと言う限定セットは、シャンプーはほぼ、現行のジュレームアミノダメージリペアシャンプー ディープモイスト(2018)と同じ内容です。

セット価格はかなり安いので、お得とも言えます。

 

しかし今回取りあげるトリートメントが最新では無い。

1、2年間のジュレームトリートメントの処方をベースにしています。

最近のジュレームの良さはトリートメント処方の更新によ売る効果が大きいので、そこが惜しいところです。

初めてジュレームを使う人には関係ないのですが、最近のジュレームって、良くなったなと思っている人は不満が出てしまうかもしれません。

 

ではその、最近のジュレームトリートメントと違うところは何なのか?

この辺が今回のテーマです。

 

早速解析してみます。

 

解析

いつものように、裏面の処方を整理します。

ジュレームアミノ サクラファンタジー トリートメントのほかに、ジュレームアミノの現行品であるジュレームアミノ ダメージリペアトリートメント ディープモイスト(2018)も整理しました。

 

原料の配合順は裏面のまま変えずに、機能毎にパート分けし、共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

九通の成分は、共通欄に○印をつけました。

 

こんな感じになりました。

 

ほとんど同じように見えますが。

さくらファンタジーでは、トリートメントの命であるコンディショニング剤が削減されているのが分かりますね。

現行品のジュレームアミノトリートメントでは、油性感や柔らかさを出す四級カチオンのベヘントリモニウムクロリドに、3種類の鎖長の異なる四級カチオン(ジステアリルジモニウムクロリド、ジココジモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド)が合わさって、奥深い使用感を作っていたのですが、サクラファンタジーでは青字で書いた2種類が省かれ、油性感を出すベヘントリモニウムクロリドと髪保護感のあるジステアリルジモニウムクロリドだけになっています。

少しの変更に思えますが、四級カチオンはトリートメントやコンディショナーの基本成分なので、影響は大きいです。

ジココジモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリドが省かれたことで、髪のまとまりや滑らかさがあと一歩足りない感じになっています。

概要編でも書きましたが、この処方はビオリスに似ていて、ビオリスもあと一歩足りない感じになってしまっています。

 

これで解析は、ほぼ終わりなんですが、一応他の部分も押さえておきます。

保湿剤のパートを見ると、サクラファンタジーのほうにはシャンプーと同様に、ソメイヨシノ葉エキスが添加されてます。

ソメイヨシノ葉エキスは肌荒れ改善効果・抗炎症効果の他、痒み抑制効果や育毛効果、美白効果などマルチな働きを持つエキスです。

またジペプチド-15と言う成分も配合されているのですが、これはジュレームトリートメントディープモイストに配合されているグリシルグリシンの名前が変更になったもので、グリシルグリシンと同じ物です。

あとはジュレームトリートメントディープモイストの方にだけエタノールとセテス-20が配合されていますが、エタノールはサクラファンタジーで削減されていた四級カチオンの溶媒ですね。セテス-20は乳化剤なのですが、これは四級カチオンの違いによる硬さの差を調整するために配合されているものです。

 

れ以外の成分に関しては、ジュレームアミノダメージリペアトリートメント ディープモイスト(2018)解析を見てください。

ほぼ同じなので。

 

関連エントリー

コーセージュレームアミノ ダメージリペア ディープモイスト(2018)の解析1 製品概要編2018.1.17追加
コーセージュレームアミノ ダメージリペア ディープモイスト(2018)の解析2 シャンプー解析編2018.1.20追加
コーセージュレームアミノ ダメージリペア ディープモイスト(2018)の解析3 トリートメント解析編2018.1.23追加

 

 

簡単ですが解析はこれで終わり。

 

うーん、安い物にはやっぱり、、からくりがあると言うことですね。

 

 

化粧品犬のオリジナル製品 発売開始!
yahoo!ショッッピング パームアミノ・ラボ ストアにて、「アミノコルベイユ オールインワンジェルクリーム」を販売しています(^_^;)

アミノコルベイユオールインワンジェルクリームの関連エントリーは、こちらです

【化粧品犬のオリジナル化粧品】アミノコルベイユオールインワンジェルクリームの告知及び解析のまとめ

 

花王 メリット(シャンプー・コンディショナー2018)の解析1 概要及びシャンプー解析編

$
0
0

化粧品犬です。

 

今回から2018/4/14に発売された、新しいメリットシャンプーとコンディショナー2解析を始めます。

2年ぶりのリニューアルになります。

 

化粧品犬ブログの読者はあまり興味ない製品でしょうけど、定点観測は大切なんですですよ(^_^;)

とはいえ、全2回ぐらいで簡単に行きますね。

 

メリットといえば、ファミリー向けの製品で、やや脱脂力の強い製品という印象ですね。

化粧品犬はクレンジングシャンプー代わりとして、たまに使ったりしていました。

以前のメリットについての解析は、こちらをどうぞ。

関連エントリー

花王メリットシャンプー・リンス(2016年版)の解析1 製品概要編2016.5.11追加

花王メリットシャンプー・リンス(2016年版)の解析2 シャンプー解析編2016.5.13追加

花王メリットシャンプー・リンス(2016年版)の解析3 リンス解析編2016.5.15追加

 

 

概要

さて今回の新メリットですが。

リニューアルのポイントは以下になります。

 

1.髪に汚れやホコリをつきにくくする「ダストシールド技術」を新採用(コンディショニング剤の追加による)

2.コンディショナーのボトル色をシャンプーと差別化し、わかりやすくする。

また今回よりリンスでなく、コンディショナーに名称変更。でも、「リンスのいらないメリット」(リンスインシャンプー)の商品名称は、そのままで、「コンディショナーのいらないメリット」にはなっていない(^_^;)

3.香料変更、着色料削除。ボトルの形も普通っぽく変更。

 

この3点です。

 

変更が少ないような気もしますが。

1の「ダストシールド技術」によって使用感は激変しています

これはシャンプーにカチオン化ポリマーとワックスを追加し、コンディショナーに四級カチオンを追加した合わせ技なのですが、効果が強く、サラサラ感がとても強いです。

メリットの派生製品であるメリットピュアンや、同価格帯のエッセンシャルよりもサラサラ感は強いです。

髪のまとまり感も、無くはない(サラサラすぎて、ややまとまりにくいのです)。

ただ髪のコート感も強いので、洗浄力を生かしたクレンジングシャンプー的な使い方は、もう出来ないですね。

すっかり髪をコートする系の物になりました。

 

で、お勧めかというと、、、香りがいまいちです。

化粧品犬はあまり香りにこだわりはないのですが、男性系の化粧品の香りは、大嫌いなんです。男だけど(^_^;)

今回のメリットは、シャンプーはちょっとグリーンっぽいメリット調で、コンディショナーはフローラルに寄せた感じなのですが、これらを一緒に使って香りが混ざると、なぜか男性っぽい。悪く言うと、、少しおっさんぽい(^_^;)

そこが勧めにくい。。。まあ香りは個人の好きずきがあるので(^_^;)あまり言いたくないのですが。

クレンジングシャンプーの代わりに使えなくなった件といい、善し悪しはあるのですが、製品の性格をアグレッシブに変えてきたことは、評価すべきなのでしょう。

 

公式ニュースリリースによれは、今回の改良は以下になっています。

 

「今回の改良で、まず着目したのは、シャンプーの原点である“洗う気持ちよさ”でした。洗髪中や洗った直後は気持ちがよいのに、その翌日には髪や地肌の「ベタつき」や「パサつき」など、不快に思ったことがある方が約9割もいることがわかりました(花王調べ)。そこで、髪に汚れやホコリをつきにくくする「ダストシールド技術」を新採用し、洗う時はもちろん、その後も1日さらっと、軽い気持ちよさが続くように改良しました。」

 

 

シャンプー解析

ではシャンプーについて簡単に解析。

(コンディショナーは次回)

 

いつものように、裏面の処方を整理します。

今回取りあげたメリットシャンプー(2018年)のほかに、先代であるメリットシャンプー(2016年)と先々代であるメリットシャンプー(2014年)も整理しました。

 

原料の配合順は裏面のまま変えずに、機能毎にパート分けし、共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

九通の成分は、共通欄に○印をつけました。

 

こんな感じになりました。

 

この表を見ると、メリットは典型的なヘアシャンプーであり、洗浄力の高めなラウレス硫酸Naとそこそこ安全性の高い両性洗浄剤の組み合わせ、ということが分かります。

 

ただメリットは医薬部外品なので表示のルールが化粧品と違っていて、例えば

 

・ラウレス硫酸Na → ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム(1E.O.)液やラウレス硫酸Na

・両性洗浄剤    → ラウリルヒドロキシスルホベタイン液やラウリン酸アミドプロピルベタイン液

 

のように表示されています。

特にラウリン酸アミドプロピルベタイン液は、化粧品では安い原料ちして知られるラウラミドプロピルベタインのことなので、2018年処方では、両性洗浄剤の一部をラウリン酸アミドプロピルベタイン液に置き換えることで、若干のコストダウンをしているのだなという事が分かります。

 

今回の2018年処方が従来から違っているところは、この両性洗浄剤のコストダウンの他、コンディショニング剤・オイル類のパートにある、カチオンポリマー(塩化ポリプロピレングリコールヒドロキシプロピルトリモニウムセルロース液(2P.O.))の添加と、ワックス成分であるセタールの添加です。

それ以外は2016年処方から変更がない事を考えると。

 

この長い名前のカチオンポリマーと、ワックス(固形油)のセタノールが、花王さんがいうところの、「髪に汚れやホコリをつきにくくするダストシールド技術」の半分と言うことになります(あと半分はコンディショナーの工夫らしい)。

 

意外と普通です(^_^;)

ちなみにこの長い名前のカチオンポリマーは、化粧品での名前はPPG-2ヒドロキシプロピルトリモニウムセルロースといいます。

これは花王しか使っていないので、花王専売の原料のようです。

2016年のエンションシャルから使われ始め、2017年にはビオレUに使われていますね。そして今年はメリットと言うわけです。

Cosmetic infoさんより

 

ヘアシャンプーからボディソープまで使える、汎用的なカチオンポリマーのようですね。

 

またPPG-2ヒドロキシプロピルトリモニウムセルロースが花王専売なので、他社が真似するとか、効果を確認しようとか、出来なくなっているのです(^_^;)

うまいです(^_^;)

 

これら以外の成分については、2016年度の処方と同じなので、そちらの解析を見てください。

関連エントリー

花王メリットシャンプー・リンス(2016年版)の解析1 製品概要編2016.5.11追加

花王メリットシャンプー・リンス(2016年版)の解析2 シャンプー解析編2016.5.13追加

花王メリットシャンプー・リンス(2016年版)の解析3 リンス解析編2016.5.15追加

 

 

使用感など

個人的にメリットは、クレンジングシャンプー代わりに使う事が主だったので、今回の正常進化は、、、申し訳ないけど少し残念(^_^;)

一般的には良い方に行っていると思います。

あとこれまでのメリットは使い続けると髪がバサつく事が多かったけど、1週間ほど使った限りでは大丈夫でした。

香りに我慢して、長期使って見ます。

次回はコンディショナー編です。

 

 

 

花王 メリットシャンプー・コンディショナー(2018)の解析2 概コンディショナー解析編

$
0
0

化粧品犬です。

 

 

2年ぶりのリニューアルになる、新しいメリットシャンプーとコンディショナーの解析をやっています。

2018/4/14に発売された製品です。

今回はコンディショナー解析編。

概要及びシャンプー解析編はこちらを見てください。

 

2016年以前のメリットについての解析は、こちらをどうぞ。

関連エントリー

花王メリットシャンプー・リンス(2016年版)の解析1 製品概要編2016.5.11追加

花王メリットシャンプー・リンス(2016年版)の解析2 シャンプー解析編2016.5.13追加

花王メリットシャンプー・リンス(2016年版)の解析3 リンス解析編2016.5.15追加

 

 

メリットといえば、ファミリー向けの製品で、やや脱脂力の強い製品という印象ですが、今回のリニューアルで、その使用感は大きく変わっています

 

シャンプーにはコンディショニング剤のカチオンポリマーと、ワックス成分のセタノーツが追加されていました。

今回取りあげるコンデコンディショナーには、やはりコンディショニング剤の四級カチオンという成分が追加されているのです。

これらを合わせて、花王さんでは「ダストシールド技術」と、ちょっと大げさに呼んでいます。

 

まあしかし、コンディショニング剤やワックスが追加された結果、使用感的には毛髪保護の方向へ大きく舵を切ったリニューアルとなりました。

 

今回はコンディショナーについて、どこが変更されたかを簡単に見て行きます。

 

解析

いつものように、裏面の処方を整理します。

今回取りあげたメリットコンディショナー(2018年)のほかに、先代であるメリットリンス(2016年)と先々代であるメリットリンス(2014年)も整理しました。

ちなみに今回のリニューアルから、呼称がリンスで無くコンディショナーに変更されています(^_^;)

 

原料の配合順は裏面のまま変えずに、機能毎にパート分けし、共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

九通の成分は、共通欄に○印をつけました。

 

こんな感じになりました。

 

メリットは医薬部外品なので、名称が化粧品の裏面と異なっていて面倒なので注意です。

が、上の表のコンディショニング剤のパートを見ると、2018年製品だけ塩化ジアルキル(12~18)ジメチルアンモニウム液と言う成分が追加されていますね。

また保湿剤のパートを見てみるとイソプロパノールが追加されているように見えますが、これはこの塩化ジアルキル(12~18)ジメチルアンモニウム液に溶媒として添加されている成分です。

逆にそれ以外は2018年処方は、2016年製品とほぼ変わっていないわけですが(^_^;)

 

この塩化ジアルキル(12~18)ジメチルアンモニウム液はコンディショナーのの主成分である四級カチオンと言われる成分なのであり、化粧品での名称は ジアルキル(C12-18)ジモニウムクロリドと言います。

これは花王さん自身が化粧品原料として外販しているもので、それを自社製品に使った形ですね。

ジアルキル(C12-18)ジモニウムクロリドは、メジャーでは無いですが、まずまず汎用的な原料です。

髪保護性の高いコンディショニング剤ですね。

 

これら以外の成分については、2016年度の処方と同じなので、そちらの解析を見てください。

関連エントリー

花王メリットシャンプー・リンス(2016年版)の解析1 製品概要編2016.5.11追加

花王メリットシャンプー・リンス(2016年版)の解析2 シャンプー解析編2016.5.13追加

花王メリットシャンプー・リンス(2016年版)の解析3 リンス解析編2016.5.15追加

 

 

簡単な変更に思えますけど、シャンプーの方の変更と相まって、大きな効果が出ています。

TPの書くさらさら。また毛は圧の結構柔らかいですね。

この辺りの調整はさすがです。

 

メリットが元々持っていた爽快な洗い上がりは無くなってしまっていますが、毛髪ケア性能は大幅にアップ。

これで1週間以上連続使用しましたが、従来のメリットにあった、しばらく使うとパサついてくる感じもありません

 

まあ時代に合わせたんでしょうね。

花王さんには頑張って欲しいです。

 

資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析1 概要編

$
0
0

化粧品犬です。

 

今回から、2018/3/7に資生堂より発売された、新しいTSUBAKIシャンプー・コンディショナーの解析をやっていきます。

前作が発売されたのが2016年なので、2年ぶりのリニューアル(しかもフルモデルチェンジ!)になります。

 

資生堂のTSUBAKIはリニューアルされるたびに、1品ぐらいは取りあげるように心がけてきたのですが。

今回は買ってはいたものの、あまりにも使用感が違っていたので(悪い意味で)、しばらくリニューアル品だと気がつきませんでした(^_^;)

 

従来品より使用感がかなり安っぽいので、てっきりTSUBAKIに良くある、季節限定製品かと(^_^;)

そのぐらい従来品と違います。

 

化粧品犬ブログの読者の方はTSUBAKI嫌いな方が多いので伝えにくいのですが。

資生堂の顔として積み上げた信用を、ごっそりと捨て去るような、、、残念な出来です(^_^;)

 

使用感もアレですが、中身も「どうしたんだろう?」と言うほどの変化です。

 

このエントリーでは、メイン製品の「TSUBAKIしっとりまとまるシャンプー・コンディショナー」を取りあげる予定なのですが、]今回の概要編では、全シャンプー・コンディショナーの新旧製品 各3種類について取り上げて行きます。

 

 

新旧製品 各3種類について、表にまとめました。

 

旧製品の継承

旧製品ではエクストラモイスト(赤TSUBAKI)、ダメージケア(白TSUBAKI)、ボリュームタッチ(紫TSUBAKI)というふうに、性能とカラーがわかりやすい感じになっていたのですが。

新製品では、なんとなく全体的に、ジュレームみたいな製品構成になっています(^_^;)

具体的には、しっとりまとまる(白ベースに赤)、サラサラストレート(白ベースに青)、ふんわりつややか(白ベースに紫)と言う風に分かれており、どの製品がどこに継承されたか分かりづらいです。

まあ、紫TSUBAKIだけは、ふんわりつややか(白ベースに紫)に継承されたのだな、と予想ができますけど。

 

最大の問題は、赤TSUBAKIと白TSUBAKIはどこに継承されたか、ですが。

ここで二つの旧製品の処方を裏面から解析してみると、意外な事が分かります。

実はこの2製品のシャンプーは、裏面から判断すると、全く同じなのです。衝撃の事実ですが(^_^;)

一応書いておくと、こうです。

 

エクストラモイストシャンプー Na(赤TSUBAKI)全成分

水、ラウレス硫酸Na、コカミドプロピルベタイン、ソルビトール、ジステアリン酸グリコール、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、(プロピルトリモニウムクロリドアクリルアミド/ジメチルアクリルアミド)コポリマー、アルギニン、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ツバキ種子油、塩化Na、アセチルヒアルロン酸Na、加水分解コンキオリン、アスペルギルス/ツバキ種子発酵エキス液、硫酸Na、ラウリン酸PEG-2、DPG、ラウリン酸、ジメチコノール、クエン酸、サリチル酸、EDTA-2Na、ラウリル硫酸Na、ココイルメチルタウリンタウリンNa、BG、トコフェロール、フェノキシエタノール、安息香酸Na、香料、黄5、黄4

 

ダメージケアシャンプー Na(白TSUBAKI)全成分

水、ラウレス硫酸Na、コカミドプロピルベタイン、ソルビトール、ジステアリン酸グリコール、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、(プロピルトリモニウムクロリドアクリルアミド/ジメチルアクリルアミド)コポリマー、アルギニン、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ツバキ種子油、塩化Na、アセチルヒアルロン酸Na、加水分解コンキオリン、アスペルギルス/ツバキ種子発酵エキス液、硫酸Na、ラウリン酸PEG-2、DPG、ラウリン酸、ジメチコノール、クエン酸、サリチル酸、EDTA-2Na、ラウリル硫酸Na、ココイルメチルタウリンタウリンNa、BG、トコフェロール、フェノキシエタノール、安息香酸Na、香料、黄5、黄4

 

赤白の差は、コンディショナーでつけられていたということになります。

ちょっと、だまされた感がありますね(^_^;)

 

今回整理した表を見ると、赤白シャンプーとも、新製品のしっとりまとまる(白ベースに赤)に近いです。

サラサラストレート(白ベースに青)だと、新たにカチオンポリマー(ポリクオタニウム-10)が追加されていますし。

ボトルデザイン的にも白も赤も入っているので(^_^;)、白も赤も「しっとりまとまる(白ベースに赤)」継承しますよ〜と言うことなんでしょうかね(^_^;)

 

ということで、コンセプトからの完全新規処方は、サラサラストレート(白ベースに青)と言うことにも、なりますね。

 

新製品の概要

ニュースリリースを引用しておきます。

内容的には面白い点はありません。

旧製品の椿麹つけ込み美容(ツバキ油に麹を加えて発酵させた成分による)に比べても大分後退しているし、そもそもツバキ油が5大美容成分(すこやか毛髪保護成分)の一つに成り下がり、ツバキ油推しでなくなっています。

 

1)100%天然由来の髪の5大美容成分(レモン果実水、ボタニカルエッセンス、大豆プロテイン、ローヤルゼリー、椿オイルエッセンス)をベストバランスで配合。芯からすこやかできれいな髪になり、パサつき、広がり、うねりの気にならない芯からきれいな髪を実現します。

 

2)美容成分がすばやくたっぷりしみわたる処方

髪の5大美容成分(すこやか毛髪保護成分)を水溶性ベースに溶かしこみ、キューティクルにある狭く細いCMC(美容成分の通り道)を通してすばやくたっぷりしみわたる処方を採用しました。

 

3)なりたい髪の仕上がりに合わせて選べる3タイプ

◆しっとりまとまる ・・・重くならずに毛先まで「しっとりまとまる」髪が続く

◆さらさらストレート ・・・髪の摩擦・うねりを防いで「さらさらストレート」髪が続く

◆ふんわりつややか ・・・髪がぺたんとつぶれるのを防いで「ふんわりつややか」髪が続く

 

髪の芯からとか、、、なんかちょっと前の花王と同じですね。

5大美容成分を水溶性ベースに溶かしこみ〜とか(^_^;)

植物エキスは、そもそも水溶性のものが多いですから、簡単です(^_^;)

 

 

新製品の問題点

ここからは化粧品犬の独自の見解を書いていきます。

 

新製品の問題点を表から見ていきましょう。

最大の問題点は、資生堂がこれまで使ってきたアミノ酸系洗浄剤ココイルメチルタウリンを止めたことです。

「ふんわりつややか」シャンプーには、まだ使われてますが、おそらくメイン製品となる「しっとりまとまる 」と「さらさらストレート」からは外されてます。

ココイルメチルタウリンは80年代にスーパーマイルドシャンプーに採用されて以来、資生堂のメイン製品には必ず使われてきたのです。

ココイルメチルタウリンをNaOHで中和したココイルメチルタウリンNa(いわゆるAMT)からはじまり、現在ではNaOHでなくタウリンNaで中和した、ココイルメチルタウリンタウリンNa(いわゆるW-AMT)が主流になっているのですが。

この辺りで命運が尽きてしまいそうです(^_^;)

1980年代後半に、理美容を中心に販売が好調になってきたアミノ酸系洗浄剤 ココイルグルタミン酸に対抗して、花王さんが出してきたのがリン酸系洗浄剤のMAPでした。そして資生堂さんが出してきたのが非代謝系のアミノ酸であるタウリンから作られたAMT(ココイルメチルタウリン)でした。ココイルメチルタウリンはたしかに、それなりに安全性の高い素材でした(ココイルグルタミン酸程では無いですが)。

いっせいを風靡したMAPも、現在は、ほぼ消滅(30歳以下の方はは知りません)(^_^;)

そしてAMTもそのテツを踏むのか?これから注目したいところです(^_^;)

 

「しっとりまとまる 」と「さらさらストレート」シャンプーでは、旧製品にあったこのアミノ酸系洗浄愛のココイルメチルタウリンタウリンNaや、アミノ酸系セラミド類似オイルのラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)などの使用感の良いアミノ酸系素材や、発酵素材の椿麹漬け込み美容成分(アスペルギルス/ツバキ種子発酵エキス液)、また髪の修復に優れたアミノ酸のアルギニン等の多くの美容効能素材が廃止されています。

その代わりに配合されているのが、5大美容成分(レモン果実水、ボタニカルエッセンス、大豆プロテイン、ローヤルゼリー、椿オイルエッセンス)といいうわけですが・・・この程度のエキスで、なくなった効能成分の穴を埋めることが出来るわけも無く、毛髪ケア感が足りない、安っぽい使用感になったというわけです。

 

新世代TSUBAKIを作ろうとしたのかもしれませんが、考えが安易すぎです。

 

補足として表チュに出したコンディショニング剤の説明をしておきます。

 

・カチオン化グアーガム(グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド):昔から使われているカチオン化ポリマーの1つだが、最近よく使われるようになっている。

・(プロピルトリモニウムクロリドアクリルアミド/ジメチルアクリルアミド)コポリマー:資生堂と三菱化学株式会社が共同で開発し、艶成分の吸着向上に適した、シャンプー・ コンディショナー配合成分。ダメージを受 けた毛髪表面を、健康的な髪に近い状態に整え、艶成分を効率良く吸着させ、毛髪のなめら かさや艶を向上させるとのこと。

・ポリクオタニウム-10(カチオン化セルロース):化粧品に配合される、代表的なカチオン化ポリマー。吸着性、すべり性に優れ毛髪上に皮膜を作る。

・ポリクオタニウム-11(ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩液):毛髪上に透明でべたつきの少ない皮膜を作るカチオン化ポリマー。

資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析2 シャンプー解析編

$
0
0

化粧品犬です。

 

2018/3/7に資生堂より発売された、新しいTSUBAKIシャンプー・コンディショナーの解析をやっています。

前編となる概要編はこちらです。

 

資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析1 概要編

 

 

今回はシャンプー解析編として、メイン製品(たぶん)の「しっとりまとまるシャンプー」の中身について、裏面から見て行きます。

これですね。

 

 

今回の新製品は、2016年に発売された旧製品に比べて、残念ながら使用感がかなり安っぽいので、何が原因なのか確認するのがポイントになります。

あとこの新製品とは関係ないと言えばないのですが、2016年に発売された旧製品は、赤TSUBAKIと言われるエクストラモイストシャンプーと、白TSUBAKIと言われるダメージケアシャンプーの処方が全く同じという、変わった?処方でした(少なくとも裏面表示は全く同じ)。シャンプーの処方は同じで、コンディショナーの違いで、差を演出していたようですね・・・にわかには信じられませんが。そんなのネットでも、書かれているものも読んだことも無いし(^_^;)

 

ちなみに資生堂自身の通販サイトにまだ裏面情報が残っているので、そ興味のある人はこで裏面内容を実際に確認できます。

TSUBAKIエクストラモイストシャンプー

 

TSUBAKIダメージケアシャンプー

 

製品が違う(書かれている性能も違う)のに内容が一緒と言うのは、ちょっと詐欺っぽいですよね。

 

今回のTSUBAKI新製品解析では、この2016旧製品と2018新製品のシャンプーの比較をし、

次回は、同様にコンディショナーの比較をしていきます。

新製品の理解を深めるとともに、2016年の旧製品で資生堂のやった手口(^_^;)がどういうものだったかも、解説していきます。

 

 

ではいつものように、裏面の処方を整理します。

今回取りあげたしとりまとまるシャンプー(2018年)のほかに、旧製品であるエクストラモイストシャンプー(2016年)とダメージケアシャンプー(2016年)法面も整理しました。

 

原料の配合順は裏面のまま変えずに、機能毎にパート分けし、共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

共通の成分は、共通欄に○印をつけました。

 

こんな感じになりました。

 

エクストラモイストシャンプーとダメージケアシャンプーは処方は同一なので、同じ欄に書きました

では簡単に解析して行きます。

 

上記を比較すると、処方の骨格的には似ています。

しかし2018年の新製品では、色々大事なものが抜けてます

まずは、旧製品ではちゃんと資生堂の顔であるココイルメチルタウリンタウリンNaが配合されていいるのですが。

この原料はアミノ酸系洗浄剤で安全性もそこそこ、使用感もそこそこ良くって、スーパーマイルドシャンプー以来すーっと資生堂の顔だったんですよ。

新製品ではそれを止めてますね・・・、会社のえらい人が退職されたりしたんですかね(^_^;)

これを止めため、ラウレス硫酸Naに、そこそこ安全性の良い両性洗浄剤(コカミドプロピルベタイン)を加えた、よくあるシャンプーになっちゃってますね。

他の成分では、ラウリン酸PEG-2は増粘剤、ラウリン酸とるラウリル硫酸Naは増泡の目的で配合されています。

ラウリル硫酸Naは、ラウレス硫酸Naと違って刺激が強いので、あまり使って欲しくはないのですが・・・これこそリニューアルでなくして欲しかった原料です。

 

また次のコンディショニング剤のパートでも、リニューアルで地味に良い成分が減らされてます

まず毛髪に対する吸着債が高く、:毛髪修復効果を発揮するアルギニンが抜かれてます。毛髪修復成分の定番なんですが。

またこれもセラミド類似オイルとして定番な、アミノ酸から作られたオイルのラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルも抜かれています。この成分は髪のCMC(セラミドのような層構造)の修復効果もあるのにもったいない。

 

まあシャンプーで最も大事なのはカチオン化ポリマーなんですが、それにあたるグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドと(プロピルトリモニウムクロリドアクリルアミド/ジメチルアクリルアミド)コポリマーは継続使用されているので、最低限の質は保っているわけですね。

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは資生堂以外にも良く使われている成分なのですが、(プロピルトリモニウムクロリドアクリルアミド/ジメチルアクリルアミド)コポリマーは珍しいです。これは資生堂と三菱化学株式会社が共同で開発しもので、ダメージもJの修復効果と特に艶を向上させる効果の高い成分と言うことで、現行のマシェリシャンプーなどにも使用されているものです。

 

更に保湿剤のパートを見ると。

以前は大きく広告していた、麹でツバキ油を発酵させた成分も新製品では抜いています(アスペルギルス/ツバキ種子発酵エキス液)。さらにヒアルロン酸系成分や加水分解コンキオリン(真珠タンパク)なども抜いていて、正にやりたい放題(^_^;)

代わりに配合しているのが、資生堂の言うところの植物美容成分(レモンエキス、ローズ水、ローヤルゼリーエキス、ダイズ種子エキス)。この中で効果ががありそうなので、タンパク系原料のダイズ種子エキスかな?

ここまで美容成分を思う存分に抜いたあとでは、全く埋め合わせになりませんが。

正直、悪意を感じるほどの変更です(^_^;)

 

まあリニューアル前の、エクストラモイストシャンプーとダメージケアシャンプーが同じ処方って言うのも、どうかとは思いますが(^_^;)

 

「これでいいんだ」と資生堂さんが思わないためにも、今回のTSUBAKIにはあまり売れて欲しくありませんね。

 

ちなみにこの製品、かみさんと娘(中3)にも使ってもらったのですが、二人とも、同時期にリニューアルしたメリット以下の使用感である、と言う評価でした(^_^;)

 

 

 

 

 

 

資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析3 コンディショナー解析編

$
0
0

化粧品犬です。

 

2018/3/7に資生堂より発売された、新しいTSUBAKIシャンプー・コンディショナーの解析をやっています。

これまでの関連エントリーは、こちらです。

資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析1 概要編

資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析2 シャンプー解析編

 

 

また今回の新製品は、216年の旧製品と基本的には似ています。

ナノで細かい成分の解析は、2016年製品の解析を見てください。

資生堂 TSUBAKIダメージケア(2016)の解析1 シャンプー・コンディショナー概要編2016.11.5追加
資生堂 TSUBAKIダメージケア(2016)の解析2 シャンプー処方解析編2016.11.7追加
資生堂 TSUBAKIダメージケア(2016)の解析3 コンディショナー処方解析編2016.11.9追加

 

 

 

今回はコンディショナー解析編として、メイン製品の「しっとりまとまるコンディショナー」の中身について見て行きます。

シャンプー解析と同様、今回の新製品は旧製品に比べて使用感がかなり安っぽいので、何が原因なのか確認するのがポイントになります。

 

ちなみに使用感の良かった旧製品も、問題?があり、赤TSUBAKIと言われるエクストラモイストシャンプーと、白TSUBAKIと言われるダメージケアシャンプーの処方が全く同じだったりしました。(シャンプー解析編で書きましたが)

つまりこの2製品の差は、コンディショナーの差が重要なわけです。

今回のコンディショナー解析では、新製品と旧製品の違いを確認するときに、この旧製品のコンディショナーの差についても押さえていきます。

 

 

 

ではいつものように、裏面の処方を整理します。

今回取りあげたしとりまとまるコンディショナー(2018年)のほかに、旧製品であるエクストラモイストコンディショナー(2016年)とダメージケアコンディショナー(2016)年の処方も整理しました。

 

原料の配合順は裏面のまま変えずに、機能毎にパート分けし、共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

共通の成分は、共通欄に○印をつけました。

 

こんな感じになりました。

 

 

さすがに3品まとめて見て行くのはややこしいですね。

地道にパートごとに押さえていきましょう。

 

 

まず、コンディショナーの背骨になる、ワックスのパート。

新製品は、ステアリルアルコールとベヘニルアルコールが多い事から、意外な事にダメージケア(2016)に似ています。

まあここがすこし変わっても、硬さがやや変わるくらいで、使用感に大きな変化はないのですが。

 

次にコンディショニング剤と油剤のパートを同時に見ていきましょう。

ダメージケアコンディショナー(2016)には、毛髪補修効果の高いアミノ酸のアルギニンと、毛髪のCMC(セラミドのような層構造)の強化効果のある、やはりアミノ酸から作られたオイルであるラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルが配合されていたんですが。

これらの髪に良さそうな成分が、残念なことに、エクストラモイストコンディショナー(2016)としっとりまとまるコンディショナー(2018)では省かれています。

エクストラモイストシャンプー(2016)では配合されてたんですけど(^_^;)

 

わかりやすく、配合されている=○、配合されてない=×で書くと、以下になります。

 

ダメージケア(2016)

シャンプー   :アルギニン○、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)○

コンディショナー:アルギニン○、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)○

 

エクストラモイスト(2016)

シャンプー   :アルギニン○、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)○

コンディショナー:アルギニン×、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)×

 

しっとりまとまる(2018)

シャンプー   :アルギニン×、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)×

コンディショナー:アルギニン×、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)×

 

となります。

しっとりまとまるシャンプー・コンディショナー(2018)だけが、シャンプー・コンディショナー共に、入って無いってないです(^_^;)。

また滑りが良い固形油の合成ワックスについても、上記3製品の中で、しっとりまとまるコンディショナー(2018)だけが配合されていません(^_^;)

 

こう書くとダメさがきわ立ちますね。

 

 

次に粉体のパート。

TSUBAKIは伝統的に、ファンデーションに使われる、シリカが配合されていました

化粧品原料のカタログとかを見ると、ヘアケア用途に「髪の毛のコンディショニング剤用の原料」として挙げられていたりします。

しかし実際に使ってみると毛髪への吸着感が「引っかかり感」を出してしまうことが多く、調整が難しい。化粧品犬の経験です(^_^;)。

この配合自体が資生堂の技術力を示していたのですが。

これも、今回のリニューアルであっさり省かれてます(^_^;)

 

最後は保湿剤のパート。

色糸な原料がありますが、新製品で減っているのは、まずはアミノ酸の一種であるメチルタウリンNa。これはシャンプーで使われているココイルメチルタウリンNaとは違います。

 

タウリンは体内に多く存在しているアミノ酸なのですが、それにメチル基がついた成分のナトリウム塩です。

タウリン自体は疲労回復効果が知られていて栄養ドリンクに入っているのですが、美容の関係する効果としては、抗酸化効果があります。これは体内の強力抗酸化成分のグルタチオンを増強したり、タウリン自身が過剰な過酸化水素を無毒化して抗炎症効果を発揮するなど多彩なものです。

タウリンの抗酸化効果は最近の研究なのですが、Wikipediaなどでも参照できます

 

メチルタウリンNaが、タウリンと同様な効果を発揮するかはよくわからないのですけどね(それは資生堂がやらないとわからない事です)。

ただ、ここまで配合してきたのに、、、これも新製品からは削除されてます。

 

ここまで散々良さそうな原料を削除しておいて、その代わりに配合されているのが、資生堂の言うところの植物美容成分(レモンエキス、ローズ水、ローヤルゼリーエキス、ダイズ種子エキス)

この中で効果がありそうなのはタンパク系原料のダイズ種子エキスぐらいで、あとのエキスの効果は大部分が保湿効果でしょう。

資生堂さんはあえて水溶性のエキスに拘ったようなこを書いているのですが、大体の場合、油溶性のエキスの方が効果は高いですし、髪の表面は親油性なので油溶性のエキスの方が髪内部に浸透しやすいです。

 

 

これで一通りの解析終わり。

ほんと内容的にも、冴えない製品という言葉がぴったりでした(^_^;)

 

2016年のTSUBAKIシャンプー・コンディショナーが使用感的には良かっただけに、ショックです。

 

あまりショックだったので、もうスルーしよっかな、、と思っていたのですが。

もしかしたら・・の期待が捨てきれず、TSUBAKIさらさらストレートシャンプー・コンディショナーにも手を出してしまいました(^_^;)

 

こちらは、意外な事に結構良いのですよ(あー、良かった・・・・)。

もちろん、飛び向けて良くは無いですけど(^_^;)

 

というわけで、続きます(^_^;)

 

 

 

 

資生堂TSUBAKI(2018)の解析4 さらさらストレートシャンプー解析編

$
0
0

化粧品犬です。

 

更新間隔が空いてしまい、すみません。

 

前回まで、新しい資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナーを解析してきました。

特にメイン製品である「しっとりまとまるシャンプー・コンディショナー」をとりあげてきたのですが。

この製品です。

 

これが、どうにもイマイチ

使っていて辛くなるほど安っぽい使用感の製品です。

解析していても、内容的に悪口を書かざるを得なくて辛い。

 

 

これまでの関連エントリーはこちらです。

関連エントリー

シャンプー・コンディショナーの解析

2018.5.7資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析1 概要編

2018.5.11資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析2 シャンプー解析編

2018.5.16資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析3 コンディショナー解析編

 

 

3回書いたので、もう終了と思いましたが、試しに同時発売の「さらさらストレートシャンプー・コンディショナー」を使ってみると、「しっとりまとまる」より、使用感は大分良い

この製品です。

 

 

 

この製品の方がよっぽど、しっとりまとまります(^_^;)

髪の落ち着きもや収まりなども、まずまず使えるレベルです

あまり期待されると困りますが(^_^;)

 

それほどストレート向け、と言うわけでもありません。

妙に髪がピンとする感じもありません。

 

それでも使用感としては、リニューアル前の製品の方が、はっきり言って良いのですが(^_^;)

まあ、2018年のTSUBAKIを買うのなら、断然こちらの「さらさらストレートシャンプー・コンディショナー」の方が良いです。

しかし中身を見て行くと、手放しでは誉められない部分もあります。

特にコンディショナーは、「しっとりまとまる」より更にコストダウンが進んでいたり(^_^;)

 

ともあれ、シャンプーから解析を始めます。

 

 

今回取りあげる「さらさらストレートシャンプー(2018年)」のほかに、同時に発売された、「しとりまとまるシャンプー(2018年)」も整理しました。

原料の配合順は裏面のまま変えずに、機能毎にパート分けし、共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

共通の成分は、共通欄に○印をつけました。

 

こんな感じになりました。

 

 

新TSUBAKIは、長い間資生堂シャンプーの看板であった、アミノ酸系洗浄時のココイルメチルタウリン(AMTとも呼ばれる)を捨ててしまい、かつアルギニンなど各種のアミノ酸系原料や発酵原料も捨ててしまっています。

なので全体としてみると、ツバキ油など数種の植物エキスを添加した、よくあるラウレス硫酸系のシャンプーに成り果てています。

この辺りは以下を参照して貰うとして、ここでは突っ込みません。

関連エントリー

シャンプー・コンディショナーの解析

2018.5.7資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析1 概要編

2018.5.11資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析2 シャンプー解析編

2018.5.16資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析3 コンディショナー解析編

 

今回は、「さらさらストレートシャンプー(2018)」が、同時に発売された「しっとりまとまるシャンプー(2018)」より使用感が良いのは何故か?という点に絞って、処方を見ています。

 

「さらさらストレートシャンプー」のほうが、「しっとりまとまるシャンプー」より使用感は良いと書きましたが、処方の差は驚くほど少ないです。

大きい差は1点のみですね。

「さらさらストレート」のみ、コンディショニング剤のパートにポリクオタニウム-10が追加してあります。

ポリクオタニウム-10はカチオン化セルロースという髪に吸着しやすいポリマーで、ヘアシャンプーでは標準的な成分です。

これまでのTSUBAKIはこの成分を使わずに、アミノ酸系素材や発酵素材(ツバキ油+麹など)を使って良い使用感を作ってきたのですが、それらを省いたためポリクオタニウム-10使わざるを得なくなったようです。

先祖返りしてどうするんだ、と言う感じもしますが、使わなかった「しっとりまとまる」の使用感は、大事故レベルなので(^_^;)

ここは使って正解なのでしょう。

 

正直言って、「しっとりまとまる」の方にも、ポリクオタニウム-10を加えて置くべきだったと思います。

おそらく今回の処方系は、ポリクオタニウム-10を加えたところで完成なのです。

そうすると同じ処方になってしまいますが、リニューアル前は赤TSUBAKIシャンプーと白TSUBAKIシャンプーで同じ処方だった事を考えれば、今さら問題ないでしょう(^_^;)

 

他の小さい違いは、コンディショニング剤・オイル類のパートで、ラウリン酸PGが加わっていることと、保湿剤のパートでソルビトールが削減されているという2点だけです。

ラウリン酸PGは親油性が強い乳化剤で、油に近いものです。何故これを配合したのかよくわかりませんが、多少は髪に油性感を与えていると思われます。

ソルビトールが削減されているのですがこれはコストダウンでしょう。しかし、ソルビトールもTSUBAKIには長いこと配合されてきたのですが、思い切りよく止めるものですね(^_^;)

糖類の保湿剤はマルチ地トールが残ってるので問題は無いのですが。

 

以上が2製品の差になりますね。

「しっとりまとまる」から「サラサラストレート」への変更は、最小限の変更なのですが、効果は大きいです。

やはりポリクオタニウム-10添加の効果は大きいと言えるでしょう。

その他の成分については前回のしっとりまとまるシャンプーの解析や、その前のダメージケアシャンプー(2016)2解析を見てください。

 

関連エントリー

シャンプー・コンディショナーの解析

2018.5.7資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析1 概要編

2018.5.11資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析2 シャンプー解析編

2018.5.16資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析3 コンディショナー解析編

 

TSUBAKIダメージケアシャンプー・コンディショナーの解析

資生堂 TSUBAKIダメージケア(2016)の解析1 シャンプー・コンディショナー概要編2016.11.5追加

資生堂 TSUBAKIダメージケア(2016)の解析2 シャンプー処方解析編2016.11.7追加

資生堂 TSUBAKIダメージケア(2016)の解析3 コンディショナー処方解析編2016.11.9追加

 

 


資生堂TSUBAKI(2018)の解析8 さらさらストレートコンディショナー解析編

$
0
0

化粧品犬です。

 

どうも最近更新できなく済みません。

 

6月上旬に、また中国の化粧品会社に呼ばれてまして。

講演内容の原稿を書いたり、サンプル作りに追われてました(^_^;)

今回の依頼は、私のYahoo!ショッピングのサイト(アミノコルベイユの販売サイト)を見ての、コンサルティング依頼だったのでとても嬉しくて、準備美時間がかかってしまいました。

 

さて今回は長々と引っ張ってしまったTSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018の最終回です。

 

資生堂の新しいTSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)は、使用感的にも内容的にも、今一つ冴えない製品なのですが(^_^;)

その中で使用感的にはまあまあ使えるレベルの、さらさらストレートシャンプー・コンディショナーを解析しています。

今回は、コンディショナーの解析です。

 

 

新しいTSUBAKIは、コストダウンのためか、いろいろな成分が抜かれているのが特徴(^_^;)、、、

なのですが、このさらさらストレートコンディショナーは、同時発売されたしっとりまとまるコンディショナーに比べても、さらにに省略されています(^_^;)

しかし使用感はそれなりによい・・・もう、職人ワザかと(^_^;)、誉めませんけど感心します。

 

今回は、同時発売された、しっとりまとまるコンディショナーと較べながら、その辺りを中心に見て行きます。

 

さてさっそく、中身を見て行きましょう。

今回取りあげたさらさらストレートコンディショナー(2018年)のほかに、しとりまとまるコンディショナー(2018年)処方も整理しました。

原料の配合順は裏面のまま変えずに、機能毎にパート分けし、共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

共通の成分は、共通欄に○印をつけました。

 

こんな感じになりました。

 

両製品とも良くにているんですが、2点違ってますね。

簡単なんで、簡単に行きます。

 

油剤のパートを見ると、さらさらストレートの方は、しっとりまとまるにあった、水添ポリイソブテンとポリシリコーン-13が省かれています

水添ポリイソブテンはスクワランに使用感が似ているサラッとした油なおんですが石油から作られた物です。スクワランは高いので、その代替として使われるものです。

スクワランの代わりに水添ポリイソブテンを使うのはいまいちな気もしますが、TSUBAKIは昔からこれなんですよね。

無いよりはマシ(^_^;)なんですよ。 

コストダウンの為に、これを省いたさらさらストレートコンディショナーはどうなの?と言う感じです。

 

ポリシリコーン13というのは、親水性のポリエーテル基とシリコーンが交互に結合した、変性シリコーンと呼ばれる成分です。

シリコン油のツルツル感を持ちながら水に溶ける性質を持っています。ヘアケアには結構使われる成分ですね。

ポリシリコーン13は水添ポリイソブテンに溶かした混合タイプで売っているものがあるので、それを使っているのかもしれません。

このポリシリコーンも、抜くほどのことは無かったんじゃないかな?抜いたら代わりに何か配合すべきでは?と思います。

現状、:コストダウンの為に抜いたのだな、としか思えません(^_^;)

 

その他の部分では、多少の配合量の差で順序が入れ替わっているところがありますが、ほぼ同じです。

成分など気になる人は関連エントリーを参照してください。

関連エントリー

シャンプー・コンディショナーの解析

2018.5.7資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析1 概要編

2018.5.11資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析2 シャンプー解析編

2018.5.16資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析3 コンディショナー解析編

 

TSUBAKIダメージケアシャンプー・コンディショナーの解析

資生堂 TSUBAKIダメージケア(2016)の解析1 シャンプー・コンディショナー概要編2016.11.5追加

資生堂 TSUBAKIダメージケア(2016)の解析2 シャンプー処方解析編2016.11.7追加

資生堂 TSUBAKIダメージケア(2016)の解析3 コンディショナー処方解析編2016.11.9追加

 

さーて、これでTSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析も終わりです。

春の新作シャンプーはピンとくる物が少なかったですね・・・残念。

 

次回から日焼け止めをいくつか取りあげる予定です。

 

ロート スキンアクア ウォーターマジックUVオイルの解析 概要編

$
0
0

化粧品犬です。

 

ようやく中国から戻りました。

長らく休んで、すみません。

 

広州白雲国際空港と言う空港を使ったのですが、ちょっと行かない間に大改装され、地下鉄が乗り入れててたりして驚きました(^_^;)

売店の店員さんも日本語をしゃべれる人が登場してたりして(片言だけど)、使いやすくなっている。

数年のうちに台湾レベルになってしまいそうです(^_^;)

 

また中国に行ってる間に、大事件が!

いつも可愛いブログを書いている、読者のおすずさんに、アミノコルベイユオールインワンジェルクリームを取りあげてもらっていました!

ここです。

プロの化粧品研究員が作ったアミノ酸たっぷりのオールインワン

うーん、自分で書くよりずっと可愛い。

やっぱり、女子には敵わないなあ(^_^;)

 

 

さて今回から2回の予定で、ロートのスキンアウア ウォーターマジックUVオイルの解析を始めます。

2018/2/13に発売された製品です。

 

今年の日焼け止めの新製品の中では、最も新しさを感じる製品です。

まあ、キワモノ感も高いのですが(^_^;)

なにしろ、日焼け止めなのにオイルですからね(^_^;)

日焼け用のオイル(コパトーン的な)と間違える人も多そうです。

それでは早速、外観から見て行きましょう。

 

外観

こんな感じです。

値段は近所のドラッグストアで、50mlで1000円ぐらいです。

ちょっと高い感じですね。でも定価は1400円らしいです(^_^;)

価格が高い理由は、あとで書きます

 

中は透明で粘度が低い、さらさらなオイルです。

 

 

概要

今回は概要編なのですが、今回だけでも完結するように、まず全成分表示を書いてみます。

 

全成分:

シクロペンタシロキサン、トリメリト酸トリエチルヘキシル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ポリメチルシルセスキオキサン、ジメチコンクロスポリマー、カプリリルメチコン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、エタノール、DPG、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジメチコン、ステアリルアルコール、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン、シリカ、トコフェロール、BHT、マロン酸ビスエチルヘキシルヒドロキシジメトキシベンジル、ジメチルシリル化シリカ、香料

 

実は化粧品犬も、最近の紫外線吸収の進歩やウォータープルーフ性の追求から、こういう製品もアリだなと考えていました。

紫外線吸収の進歩というのは、今ではほとんどの紫外線吸収剤の安全性が確保され、太陽光線による分解もほぼなくなっているのですよ。従って、紫外線吸収剤はケミカルで良くないもの、という考えは現実には過去のものです。

現在では、通常使われる紫外線吸収剤の刺激性は、通常の化粧品用オイルと大差ないのです。

その考えに則り出てきた製品が、酸化チタンなどの紫外線散乱剤が配合されていない、ジェル系やエッセンス系の日焼け止めです。

日焼け止めジェルやエッセンスは、基本的には、紫外線吸収剤又は(紫外線吸収剤+オイル)を乳化剤も使って水に分散させたものです。

酸化チタンや酸化亜鉛は、原理的には必須ではありません。

ただ乳化剤は水にも油にも馴染む成分なので、ジェルやエッセンスのウォータープルーフ性はどうしても低くなりがちでした。

 

それならば、乳化剤が入る前のこの(紫外線吸収剤+オイル)を、そのまま日焼け止めとして使ってしまえば、最もウォータープルーフ性の効いた日焼け止めになるのでは?と言うコンセプトいで作られたのが、この製品です。

 

すでにこういう製品は海外ではある。という話も聞くのですが。

ケミカルな紫外線吸収剤=悪、と長く決めつけてきた日本では初めての製品かと思います。

(私が知らないだけかもしれませんが)

 

実は化粧品犬も、非常に気になっていた製品でした。

専従tの全成分を見ても、基本的に

 ・紫外線吸収剤

 ・シリコン油

 ・紫外線吸収剤やシリコン油と混合しやすいオイル

 ・油ゲル化剤((パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン)

 ・ワックス類(ステアリルアルコール)

 ・粉体(シリコンパウダー、シリカ類)

 

しか入っていません。

乳化剤が入っていないのは当然として、意外なのはワックス類や油ゲル化剤が配合されており、肌への密着性を高めていたりとか、透明性の高い粉体類が配合されて、塗布後のサラサラ感を向上させていると思われることです。ロートさん、意外に配慮が細かいです(^_^;)

 

 

さて実際に使って見ましたが。

 

サラサラのオイルですね。

べたつきは全くないのですが、オイル感は無いわけでは無く、結構テカリもあります

トリメリト酸トリエチルヘキシルという紫外線吸収剤やシリコンと馴染みやすい油が多く入っているのですが、これはツヤが出やすい効果も強いため、結果としてテカリが強くなっているのかもしれません。

白浮きは全くないですね。

 

また、塗布したあと水をかけてみましたが、水をはじきまくり、全く落ちる様子が無いです

まあ、全体的に油だから、当たり前ですが(^_^;)

 

ただ気になるのは、オイル故の「伸びの良さ」です。

伸びが良すぎて、必要以上に薄付けになりやすいですね。

酸化チタンなどの粉体が入っている日焼け止めは、モッタリしていて適度に厚く付くのが良いところだと思うんですよ。

粉体が入ってないジェルやエッセンスは、比較的薄く付きやすいのですが、まあ乳化物なので、若干は厚みがある

 

しかしこの製品はサラサラオイルだけに、とても薄くつけてしまいます

これは日常に使う日焼け止めとしては良いけど、真夏や海などではちょっと不安ですね。

時期的にもう少し経たないと分からないですが、気をつけたいところです。

 

 

CM

スキンアクアUVオイル「クリアなオイル」篇

思いっきり海で使え! というCMになっています(^_^;)

ウォータープルーフ性は良いとは思いますが・・・

海で使うときは、アネッサか何かをバックアップとして持って行くことをお勧めします(^_^;)

 

 

使用感など

期待していたんですが、思っていたものとは若干違いました。

というか、この「UVオイル」と言う新ジャンルの難しさを感じさせる製品です。

 

また最後にありましたが、「UVオイル」と言うジャンルの難しさとして、コストが高いということがあります。

ジェルとかエッセンスとかは、水が入ってますからね、安くし易いんです。水ほど、安い物は無いから。

「UVオイル」は全部オイルで構成されるので、どうしても高くなりやすいです。

ウォータープルーフ性だけはいいんですが、薄付きの問題でおそらく性能はそこそこ止まりと思われるので、なかなか辛いところです。

 

次回は処方解析編です。

 

 

ロート スキンアウア ウォーターマジックUVオイルの解析 処方解析編編

$
0
0

化粧品犬です。

 

前回から、2018/2/13に発売されたスキンアウア ウォーターマジックUVオイル(ロート)の解析をやっています。

前エントリーはこちら。

 

日焼け止めなのにオイル・・・という、意欲的な製品です。

日焼け用のオイルと間違える人もいそうですが、そもそも紫外線吸収剤自体は、液状油または固形油の一種とも[言える成分なので、こういう剤型も、あり得るわけです。

 

要するに日焼け止めジェルや日焼け止めエッセンス等の既存の安い日焼け止めから、水と乳化剤(水とクリームを作るための成分)を除いたものです。

こういう製品、いつかは出る・・・と思っていました(^_^;)

 

この剤型のメリットとしては、水と乳化剤といった、水と馴染みやすい成分を配合し無くて済むので、ウォータープルーフ性を上げやすいということが上げられます。

では解析開始。

 

 

解析

さてこの処方は、元ネタはあるのか?と考えると。

ありますね。

おそらくですが、去年出した同社の日焼け止めスプレーでしょう。

名前はスキンアウア ウォーターマジックUVといって、スプレーという文字は入っていないのですが、スプレータイプです。

処方的にはこれと似ています。なんか名前も似ていますが(^_^;)

この製品です。

当ブログでも取り上げています。

関連エントリーはこちら。

ロート製薬 スキンアクア ウォーターマジックUVの解析1 スキンアクア(2017)シリーズ概要  2017.8.2追加
ロート製薬 スキンアクア ウォーターマジックUVの解析2  製品概要編 2017.8.7追加
ロート製薬 スキンアクア ウォーターマジックUVの解析3 処方解析編 2017.8.11追加

 

このスプレータイプの製品と比較しながら、]今新製品のUVオイルの正体を考察しようというのが、今回の内容になります。

 

ではいつものように裏面表示を整理します。

 

今回取りあげるウォーターマジックUVオイル(2018年)のほかに、ウォーターマジックUVスプレー(2017年)処方も整理しました。

原料の配合順は裏面のまま変えずに、機能毎にパート分けし、共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

共通の成分は、共通欄に○印をつけました。

こんな感じになりました。

 

 

(今回は難しい処方という事もあり、全原料について、下の方に解説を書きました。

興味のある方は参考にしてください。)

 

ぱっと見ただけで。共通の成分が多い事が分かります。

 

油性成分のパートは複雑なのですが、よく見ると、トリメリト酸トリエチルヘキシルのような通常のオイルは共通にして、新製品のUVオイルの方にはシリコン系のオイルが大量に追加されている事が分かります(〜シロキサンとか、〜トリメチコン、〜メチコンなど名前の原料がシリコン油やその誘導体になります)。

 

実は2017年に出たUVスプレーは、衝撃的に油っこい(^_^;) つけ心地でした。

つけると油でベタベタ、と言う製品でした。

今回の新製品と同様に乳化剤は入っていないので、おそらくウォータープルーフ性は良かったのだろうと思うのですが、それ以前に全く使う気が起きないベタベタさ・・・でした。

ちなみにこのスプレーは、ほんの少し水が配合されているのですが、これはカルノシンという抗酸化性の高いペプチドを溶かすためだと思われます。

水が入っていても乳化剤は入っていないので、水と油が分離したまま噴出されて肌に吹き付けられて、更にイヤな感じでした(^_^;)

今回のシリコン油の多用は、個尾べたつきを緩和するためと思われます。

 

また油っこさを緩和するための、もう一つの工夫として、サラサラする粉体が大量に増やされています

具体的には、UVスプレーではポリメチルシルセスキオキサンというシリコン系の原料だけだったのが、今回はそこに加えて、ジメチコンクロスポリマー、シリカ、ジメチルシリル化シリカの3種の粉体を追加しています。

粉体を入れすぎて容器の底に溜まるようになったのだと思いますが、アネッサのようなテンレスボールが容器の中に配置してありますね(^_^;)

アネッサのように酸化チタンが底に溜まるというなら分かりますが、紫外線防止効果の無いシリカなどの粉体を、ステンレスボールを入れなければならないほど配合するとはね(^_^;)

ちょっと驚きです。

またこの粉体を沢山入れたせいで、スプレータイプに出来なくなったのだと思います(^_^;)

これスプレータイプにしたら、絶対ノズルが詰まります(^_^;)

 

 

つまり今年の新製品であるUVオイルは、去年のスプレーの処方を流用しつつ、シリコン油類と粉体類の追加により使用感を改善したものです。

 

個人的には去年のスプレーは使う気になれなかったので、今回の方針の転換は大賛成です。

しかし前回も書きましたけど、ただでさえオイル剤型はコストが高いのに、そこにさらにステンレスボール代がかかるとは・・・ご愁傷様です(^_^;)

でも前回も書いた薄く付く問題で、ウォータープルーフ性はともかく、海で使う性能は出ないと思うんですよね。

やや誇大広告なのが気になります。

 

スキンアウア ウォーターマジックUVオイルの解析はこれで終わりです。

 

 

以下、原料ごとのコメントを書いておきます。

 

油性成分

・シクロペンタシロキサン:化粧品で一般的に使われる環状シリコン油。揮発性が高い。

・トリメリト酸トリエチルヘキシル:UV吸収剤、二酸化チタン(シリコーン表面処理)の分散性が良好 。 べたつきが少なく肌なじみが良い 。高い光沢度があり、グロス付与効果が高い。

・イソノナン酸イソノニル:軽い感触で、伸びが良い油剤。

・ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン:アルコールをは じめ各種化粧品成分との相溶性に優れており、 水をはじく、べとつかない、のびが良いなど優れた特性を持っているシリコン油です。

・カプリリルメチコン:改質されたシリコン油の一種で、普通のオイルっぽさも兼ね備えているいるシリコン油です。他のオイルの混ざりやすい特徴があります。

・ジメチコン:一般的なシリコン油です。

・ステアリルアルコール:ヘアコンディショナーやトリートメントによく使われるワックス成分(固形油脂)のひとつ。

・パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン:オイルを透明にソフトにゲル化する油ゲル化剤です。またチキソトロピー性を有するので、生成したゲルを破壊しても室温で復元します。オイルゲル化機能のほか、オイルの増粘、乳化の安定化、顔料分散効果、ワックスの感触改良(油性感の軽減、結晶抑制)効果などがあります。

・トコフェロール:別名ビタミンE。油性成分ですが、酸化安定剤として働きます。

・マロン酸ビスエチルヘキシルヒ ドロキシジメトキシベンジル:長期安定性に優れ、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、アボベンゾン等の紫外線吸収剤の安定化もできる無色透明な油剤です。

活性酸素の抑制効果、抗酸化作用、ラジカル捕捉作用もあり皮膚保護剤として高機能化粧品の素材として活用できます。  

安全性も高いです。SDSを上げておきます。

http://www2.merck.co.jp:8080/shohousen2/pdfdata/1-130163.pdf

 

紫外線吸収剤

・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル:UVB吸収剤。1960年代から使用されている。

・ジエチルアミノ ヒ ドロキシペンゾイル安息香酸へキシル :UVA吸収剤。日本では、2005年から使用許可されています。

・ビスエチルへキシルオキシフェノ一ルメ トキシフェ二ルトリアジン:UVA・UVBの両方を吸収する、紫外線吸収剤。日本では、2007・年から使用許可されています。:

 

粉体

・ポリメチルシルセスキオキサン:メチルトリメトキシシランが重合してできた、球状のシリコンパウダー。滑り性が高い。

・ジメチコンクロスポリマー:シリコーンゴムの一種で、これは完全に「ゴム」です。化粧品原料としては、このシリコーンゴムを環状シリコン又はミネラルオイルに溶解して液状になったものが販売されており、それを添加することで処方中に簡単に「ゴム」を持ち込む事が出来るのです。

なぜゴムを持ち込むかというと、下地や日焼け止めに化粧もちの良さや、ウォータープルーフ性をつけるためです。この素材を使うと、塗布後に環状シリコンが蒸発し、後に薄いシリコーンゴムの皮膜が残ります。これが耐水性を出すのです。

・シリカ:別名を無水ケイ酸とも呼ばれる親水性性の粉体。微粉末で、ふんわりした感触と不透明さを併せ持つ。各種メイク品の他、クリーム、乳液や歯磨き粉など幅広く使われる。

・ジメチルシリル化シリカ:シリカの表面に、シリコンを結合させたもの。滑りが良く、凝集しにくい。

 

保湿剤、香料

・エタノール:エタノールです。過去には変性剤を加えた変性アルコールが使われていましたが(変性すると酒税が回避されて安くなった)、税制が変更されて変性アルコールが値上がりしたため、現在は変性アルコールは使われず、ただのエタノールを使うのが主流になっています。

・DPG:汎用的な保湿剤。各種成分を溶かす能力も高い。やや抗菌性がある。ネットでは安全性について疑問の声もあるが、ほぼ誤解だと思われる。詳しくは以下のエントリーに書きました。

牛乳石鹸 カウブランド 無添加シャンプー・トリートメントの解析 番外編 DPGの安全性

http://ameblo.jp/kesyouhinken/entry-12115752613.html

・BHT:酸化防止剤。紫外線吸収剤を安定化させるために、最初から紫外線吸収剤に添加してあることが多い。昔から毒性を指摘されている原料ではあるが、紫外線吸収剤の安定剤程度の配合量なら,」安全性に問題ないと思われる。

 

 

 

 

 

資生堂 アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク(2018)の解析1 製品概要編

$
0
0

化粧品犬です。

 

最近、更新がまばらですみません。

どうも、なかなかに忙しいのです。

 

まあ言い訳はこの辺にして(^_^;)、本文にいきましょう。

 

今回から2回ぐらいの予定で、2018/2/21に発売された、資生堂の新アネッサ「アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク」を解析します。

いわゆる「金のアネッサ」に相当するものです。

大ヒットした旧製品(2016年発売)の、満を持してのリニューアルです。

 

今回は特にスキンケア成分の配合を強化したため、今年は銀のアネッサは廃番になったりしています。

詳しくはこちらのエントリーをどうぞ。

資生堂 2018年のアネッサの概要2018.2.5追加

 

また大ヒットした旧製品(2016年発売)のエントリーはこちらです。

資生堂アネッサ パーフェクトUV アクアブースターの解析1 製品概要編2016.5.7追加

資生堂アネッサ パーフェクトUV アクアブースターの解析2 処方解析編2016.5.9追加

資生堂アネッサ パーフェクトUV アクアブースターの解析 番外編 FJの資生堂の報文を読む2017.6.10追加

 

ではさっそく外観から。

 

外観

こんな感じです。

 

写真では分かりにくいけど、蓋の上部が水色なのが、今回のボトルの特徴です。

近所のドラッグストアで2480円/60mlでした。

 

高いと言えば、高い・・・でも、「これなら焼けない」という安心感を考えると、妥当な値段かな。

アネッサには、SPFとかPAの[スコアだけでは語れない性能がありますよね。

 

概要

満を持してのリニューアルということで、きちんとニュースリリースもでています。

ニュースリリースには今年のもう一つの新製品であるジェルについても書かれているのですが、本製品に関わる部分を押さえておきましょう。

ニュースリリース

(1)アクアブースターEX(「パーフェクトUV スキンケアミルク」に搭載)  

『汗や水に触れると、紫外線をブロックする膜が強くなる』という資生堂独自の革新的な技術「アクアブースター技術」がさらに進化しました。今回、「こすれ」に着目し、「アクアブースターEX粉末」を配合。よりすべりのよい平滑な膜をつくることで膜をとれにくくし、耐久性をさらに高める技術の開発に成功しました。

 

「アクアブースター技術」については、旧製品のレビューで書いたけど、処方的には以前からやってた事ですよね。

それをマーケティング的に、今さら取りあげたものです。

このあたりは、このエントリーで書きました。

資生堂アネッサ パーフェクトUV アクアブースターの解析 番外編 FJの資生堂の報文を読む2017.6.10追加

 

まあそれはそれとして。

今回は旧製品に更に「アクアブースターEX粉末」と言うサラサラな粉を追加して、滑りの良さと平滑性を上げ、「こすれ」に強くなったと言うのがポイントのようです。

この「アクアブースターEX粉末」とは何かが気になるところですが、これは2016年に発売された旧製品と今回の製品を較べる事で、おおよそ何かが分かります。

詳しくは次回のネタなのですが、もったいつけるほどでは無いので書いてしまうと(^_^;)

具体的にはシリカと、メタクリル酸メチルクロスポリマーですね。

シリカはファンデーションとかに入っている、サラサラの無機粉体。

またメタクリル酸メチルクロスポリマーはプラスチック製の粉体なのですが、旧製品にもメタクリル酸メチルというプラスチック製の粉体が入っていたので、その使用感違いのものです。

名前は「アクアブースターEX」と大げさだけど、今回やっていることは意外に簡単です。

 

(2)50%スキンケア成分配合で、未来の美肌を守る「ビューティーサンケア」

(「パーフェクトUV スキンケアミルク」「パーフェクトUV スキンケアジェル」「ホワイトニングUV ジェル」に搭載)

アネッサの意識調査によると、紫外線はシミ・乾燥・小じわなど、肌老化を引き起こす要因になるということは知っているものの、日焼け止め効果の高いものは、肌への負担があると考えている方が多いことが分かりました。アネッサの日焼け止めには軽やかな使い心地で美容成分を厳選配合し、うるおいを与え、乾燥ダメージもケアします。今はもちろん未来の美肌を守ります。

 

厳選配合美容成分:スーパーヒアルロン酸(アセチル化ヒアルロン酸)、マリンコラーゲン、アロエエキス、バラ果実エキス・DG、緑茶エキス・桜葉エキス、トルメンチラ・DG

 

ここだけ読むと、「美容成分が大幅に強化されたんだな」と思いそうになりますが、実際には旧製品にも結構美容成分入ってたんですよ。なので新旧比較すると、プラスアイナスして美容成分の数はあまり変わらないです(^_^;)

ただ新製品の方が、アセチルヒアルロン酸とかアロエベラとかコラーゲンとか、実感のある成分が多くなっているようですね。

さらに新製品の方方にはちょっとした仕掛けがあって、油相の方に環状シリコン(シクロペンタシロキサン)が追加されてるのですよ。これが入ると、クリームにみずみずしさが増します。

これらの合わせ技で、スキンケア成分配合量アップの演出をしているようです。

 

貶しているようだけど、確かに実感としてとして保湿感はアップしているので、なかなか巧みなアップデートと言えるでしょう。

使って見ると、確かに実感的には良くなっています。肌を、自然にかつ、ぴったりと保護する感じがスゴいです。

海だけで無く普段使いにも十分対応出来る、使用感の自然さもいいですね。

 

実際に子供の運動会を見に行きましたが、結構陽射しはきつかったものの、全く焼けませんでした。汗で流れてしまう感じも全くない。ただ、やはり陸上のイベントだと、限界は見えないです(^_^;)

旧製品より若干香りが強まった印象もあり、それが更に好印象です。

 

 

@cosme評価

クチコミ 394件、注目人数 1182人です(2018/6/23確認)。

注目人数がスゴいです。

そして評価点5.9点。ランキングは2位(ボディ用日焼け止め部門)。

当然と言えば当然ですが、こちらスゴいですね。

 

CM

アネッサ2018年のCM。「美肌よ、ずっと、輝け。」ミューズは昨年に引き続き、森 星さんです。

アネッサ2018年SS 「SKY STAGE」篇

 

使用感など

日焼け止めっぽい使用感が、さらに減り、より自然になった印象です。

日常用として顔に使っても、全く問題なし。

ウォータープルーフ性も最高だし、これは欠点が無い。

使用頻度が高くなると、値段が問題かな?

大ヒット製品の、万全のアップデートでした。

 

次回は処方解析編です。

 

 

 

真剣なコメントなので真剣に返信(防腐剤関係)

$
0
0

化粧品犬です。

 

Xさんという方から、

コーセー ジュレーム アミノシャンプー モイスト&スムースの解析 後編(処方内容について)

のエントリーにコメントを頂きました。エントリー自体は、2015年に書いたのものですね。

 

内容は防腐剤についてです。

返信を書いていたのですが、難しい内容が多く。

アネッサ解析の途中で申し訳ないですが、返信を拡大して、一つのエントリーにする事にしました。

 

最初に全文を掲載します

 

Xさんのコメント

>kesyouhinkenさん

いまさらですが 。さんの意見も端的で分かりにくいですが同意見です。まずフェノキシと安息香酸Na、パラベン類は比較できないと思います。なぜならフェノキシに関しては防腐効力はほとんどなく溶剤として使用されるとことがほとんどです。カビと緑膿菌に少し効くくらいでしょうか。基本併用しないと様々な菌へと効果は薄いです。

またプロピルパラベンが0.6%の処方は業界ではありません。なぜなら防腐効果が高いから。条件にもよりますが0.1%存在すれば大体の菌、微生物の増殖を抑えられるでしょう。記載されてたフェノキシ0.3+安息香酸Na0.3とプロピルパラベン0.6であればどう足掻いてもプロピルパラベンの効果の方が高いです。

またファンケルさんのレポートですがパラベン配合の化粧品を使用しと書いてますが何%配合されている化粧品かきさいないですよね。これは私の記憶が正しければ多量のパラベンを配合したもので実験しているので実際の化粧品使用の状況と大きくかけ離れたものかと思われます。余談ですが、個人的には化粧品原料を悪とする研究成果の背景に、その研究施設や研究室に寄付している無添加化粧品を謳う企業がいることもありますので発表データが全てではないと思っております。一般人からすれば条件やデータ詳細を見ず結論の『Aは肌の老化を促進させる可能性が高い』等を見て判断しますので企業側は結論さえあればよいのです。

化粧品会社では原料の風評被害などにより使用できる原料も限られ困っております。原料メーカーもまたしかり。新しい原料も白斑問題以降使用できない状況になっております。EUの規制もEUを発展させるべく海外企業の原料を狙い撃ちしている可能性もあり鵜呑みはどうかと。プロピルブチル添加量規制については×のつくデータはなくグレーだから規制しましたの印象です。イソチアゾリノンはさすがに刺激性が高すぎるので仕方ないかと思います。

防腐剤に限らずですがパラベンや安息香酸を例にすると

昔から使用されているのに大きな問題が起きていないことが一番の安全性の保障ではないでしょうか。

この様なブログは意外にも影響力が大きいので様々な観点から考えブログに記載をご検討いただければ幸いです。

 

なかなか、長いです(^_^;)

これに、段落ごとに返信を入れていきます。

 

いまさらですが 。さんの意見も端的で分かりにくいですが同意見です。まずフェノキシと安息香酸Na、パラベン類は比較できないと思います。なぜならフェノキシに関しては防腐効力はほとんどなく溶剤として使用されるとことがほとんどです。カビと緑膿菌に少し効くくらいでしょうか。基本併用しないと様々な菌へと効果は薄いです。

 

この部分は今回の本筋ではないのですが、重大な誤解があるので、まずこの部分「フェノキシに関しては防腐効力はほとんどなく溶剤として使用されるとことがほとんどです。」に反論しておきます。

 

なぜXさんがここまで断言するのかわかりません。

フェノキシにも、きちんと防腐効果はあります。

まずMIC値を見てみましょう。

まあ防腐剤を語るときは、まずこのスコアを見るものなのです。

特定菌5種に対する最小発育阻止濃度(MIC)

フェノキシエタノールのスコアは、メチルパラベンよりは劣りますが、それなりです。

何を持って「防腐力はほとんど無く」と言われるのかわかりません。

化粧品犬を試してるのか?ぐらいか思いつきません(^_^;)

 

また化粧品犬ブログでは、自腹でデータを測定、公開しています。

まあとりあえず、ISP細菌3種だけですが。

フェノキシについては、

自腹で外部に分析を依頼するシリーズの全エントリー

 

という中の、以下のエントリーなどで公開中です。

(シリーズ)防腐剤の評価 新原料コラリピッド、バイオセキュアの評価1(+順化試験の説明)

(シリーズ)防腐剤の評価 新原料コラリピッド、バイオセキュアの評価2 完結

 

在職中には散々評価したのですが、それは出せないのでやり直したものです。

 

さて話を戻しまして、もともとのエントリーのテーマは何だったかというと。

2015年のジュレームアミノシャンプーが

メチルパラベン+プトピルパラベン+フェノキシエタノール+安息香酸Na

を使っているので、化粧品犬が「メチルパラベンだけならまだましですが、プロピルパラベンは使うべきでは無い」と発言したことですね。「安息香酸Naとフェノキシエタノールでも防腐できるのでは無いか」とも書きました。

 

それに対して当時、「。」さんあから以下のコメントをいただきました。

「あることないこと書きすぎね>_<

教えてあげるけどフェノキシと安息香酸ソーダはプロピルパラベンより刺激強いからね。

活性剤部分とか正しいことも書いてるから消費者が信じちゃう。」

 

 

これに対して化粧品犬は以下のようにコメントしました。

 

「。」さんはプロピルパラベンはフェノキシや安息香酸Naより低刺激だと言われた。つまり、防腐剤をプロピルパラベンに置き代えても、防腐性・刺激性共に問題無いと言われるわけですね。

言葉に従って言えば、例えばフェノキシ0.3%と安息香酸Na0.3%で防腐しているシャンプーを、プロピルパラベン0.6%に変更可能ということになりますよ?

私の意見は、色々な系統の防腐剤を併用する方が効果的であるという事です。

このジュレームの系で言えば、ちょっとぐらい刺激があろうが、フェノキシ0.3%と安息香酸N併用系にした方が結局配合量も減り効果も出るのでは無いかと。そしてそこにパラベン系統の防腐愛を加えるなら、パラベン系統で最も刺激が少ないメチルパラベンのみにすべきだったと思います。

 

 

これに対して、xさんは、私のコメント前半の「言葉に従って言えば、例えばフェノキシ0.3%と安息香酸Na0.3%で防腐しているシャンプーを、プロピルパラベン0.6%に変更可能ということになりますよ?」という部分に激しく反応されているようで次のように書かれています。

 

またプロピルパラベンが0.6%の処方は業界ではありません。なぜなら防腐効果が高いから。条件にもよりますが0.1%存在すれば大体の菌、微生物の増殖を抑えられるでしょう。記載されてたフェノキシ0.3+安息香酸Na0.3とプロピルパラベン0.6であればどう足掻いてもプロピルパラベンの効果の方が高いです。

 

私は「。」さんが「教えてあげるけどフェノキシと安息香酸ソーダはプロピルパラベンより刺激強いからね。」と言われるので、では例えばプロピルパラベンが0.6%の処方もありになってしまいますよ、と言う例え話で、プロピルパラベンが0.6%の処方について書いたのですが・・・。

そんな物は無いというのは知っているし、今さら防腐性について教えてくれる必要もありません。

ここでは、プロピルパラベン単独使用よりパラベン類とフェノキシ、安息香酸Naとの併用系にすべきだ、と書いているのです。

理由は防腐剤は系統によって特異な菌と不得意な菌があるからです。

例えばパラベン類は、メチルパラベンもプロピルパラベンも、細菌類は効きが悪いです、特にPseudomonas aeruginosa(緑膿菌)。なので他の防腐剤と併用するのが常道と言うことです。

むしろ「(プロピルパラベンが)0.1%存在すれば大体の菌、微生物の増殖を抑えられるでしょう」の根拠を知りたいです。

少なくとも、プロピルパラベン0.1%単独使用では、多価アルコールの量にも寄りますが、ヘアシャンプーでは防腐は無理ではないですか?

それ以上に化粧品でのプロピルパラベンの平均使用量は平均0.015%(最少0.002%、最大0.04%)なので、0.1%以上配合なんて言う製品はあり得ないのですが。

これは以下を参考に書いています。

市販化粧水中のフェノキシエタノールおよびパラベン類の分析法に関する研究

 

またファンケルさんのレポートですがパラベン配合の化粧品を使用しと書いてますが何%配合されている化粧品かきさいないですよね。これは私の記憶が正しければ多量のパラベンを配合したもので実験しているので実際の化粧品使用の状況と大きくかけ離れたものかと思われます。余談ですが、個人的には化粧品原料を悪とする研究成果の背景に、その研究施設や研究室に寄付している無添加化粧品を謳う企業がいることもありますので発表データが全てではないと思っております。一般人からすれば条件やデータ詳細を見ず結論の『Aは肌の老化を促進させる可能性が高い』等を見て判断しますので企業側は結論さえあればよいのです。

 

ファンケルさんの研究についてはこちらです。

化粧品中の防腐剤は皮膚に残り、肌にストレスを与える

 

in vivo 試験も行っており、微量での害があるというのがファンケルの主張です。

またxさんは、「実際の化粧品使用の状況と大きくかけ離れたものかと思われます。」と言われますが、この種の試験は、まずは実際の使用濃度より高めて試験することは、普通だと思います。

そしてリスクとベネフィットをすりあわせていく。例えば実使用濃度では〜とかです。

 

問題なのはこれが2005年に報告されてから、何の反論報告もない事です。

資生堂や花王ですらです。

むしろ資生堂など、製品をノンパラベン化しつつあります(TSUBAKIとか)。

これはどう捉えてますか?

 

 

化粧品会社では原料の風評被害などにより使用できる原料も限られ困っております。原料メーカーもまたしかり。新しい原料も白斑問題以降使用できない状況になっております。EUの規制もEUを発展させるべく海外企業の原料を狙い撃ちしている可能性もあり鵜呑みはどうかと。プロピルブチル添加量規制については×のつくデータはなくグレーだから規制しましたの印象です。イソチアゾリノンはさすがに刺激性が高すぎるので仕方ないかと思います。

 

事情は分かります。

ただ、「使用できる原料も限られ、新しい原料も白斑問題以来使用できない」と言うことはありませんね。

逆にこれらを好機と考え、新規の防腐剤や防腐できる原料を出してくるメーケーもあります。

私が中国に行っているせいかもしれませんが。

むしろ中国の化粧品メーカーの方が、新規の防腐成分を真剣に評価しています。

私は仕事を始めたときからパラベンフリーや無添加化粧品を中心にやってきた人間なので、中国の研究員と話があって仕方が無い。

逆に日本の研究員は興味が無い人が多い。

数年後、やばいな・・・と感じます。

 

防腐剤に限らずですがパラベンや安息香酸を例にすると

昔から使用されているのに大きな問題が起きていないことが一番の安全性の保障ではないでしょうか。

この様なブログは意外にも影響力が大きいので様々な観点から考えブログに記載をご検討いただければ幸いです。

 

いや、それは停滞だと思います。

それをやっているとガラケーならぬ、ガラパゴス化粧品になります。

最近の例としては日焼け止めがあります。

「紫外線吸収剤はケミカル原料だから肌に悪い」というコンセプトで作られた、多くの日焼け止めがガラパゴス化しています。

パラベンは長く使われているから良いんだという製品がガラパゴス化しないとはがきりませんよ。

最近でもトリクロサンが死亡した事実を思い出してください。

前進する為の、不断の努力が必要です。

 

あと

様々な観点から考えブログに記載をご検討いただければ幸いです。

って(^_^;)

冒頭でフェノキシエタノールを、ただの溶剤呼ばわりしていたのをお忘れか。

フェノキシエタノールだけで防腐している製品って世の中にごまんとあるんですよ。

それらは防腐が不十分だと言うことですか?

パラベンが使えなくなって困るのは分かりますが、それこそ風評被害で、明らかに言い過ぎです。

 

 

 

 

資生堂 アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク(2018)の解析2 処方解析編

$
0
0

化粧品犬です。

 

回は、2018/2/21に発売された、資生堂の新アネッサ「アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク」の解析の2回目です。

いわゆる「金のアネッサ」に相当するものです。

大ヒットした旧製品(2016年発売)の、満を持してもリニューアルです、

 

今回は、処方解析編になります。

 

これまでの記事は、以下のエントリーでどうぞ。

資生堂 2018年のアネッサの概要2018.2.5追加

資生堂 アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク(2018)の解析1 製品概要編2018.6.24追加

 

また大ヒットした旧製品(2016年発売)のエントリーはこちらです。

資生堂アネッサ パーフェクトUV アクアブースターの解析1 製品概要編2016.5.7追加

資生堂アネッサ パーフェクトUV アクアブースターの解析2 処方解析編2016.5.9追加

資生堂アネッサ パーフェクトUV アクアブースターの解析 番外編 FJの資生堂の報文を読む2017.6.10追加

 

 

では早速解析にいきましょう。

まずいつものように裏面を整理します。

 

今回は、リニューアル前の旧製品である、パーフェクトUV アクアブースター(2016年)の裏面表示も整理し、新製品であるパーフェクトUV スキンケアミルク(2018年)と併記してあります。

この比較を行うことで、変更点が分かりやすくなります。

 

原料の機能毎にパート分けし、パート内の表記順番は裏面のまま変えずに記入しています。また共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

 

こんな感じになりました。

油剤や紫外線吸収剤、粉体など重要部分の変更は大きくないですね。

今回のリニューアルの最初の「売り」なんですが、「アクアブースターEX粉末」による、アクアブースター「EX」技術は、どこなの?と言いたくなるほどです。

また二つ目の「売り」として、50%スキンケア成分配合で、未来の美肌を守る「ビューティーサンケア」というのもあるのですが、まあ確かに保湿剤のパートは色々変わってますね。ただ旧製品も美容成分は色々配合されてました(特にアスコルビルエチルやグリリルチリンK2とかは良かった)。新製品ではアロエベラとかトルメンチラ根エキスとかコラーゲンに置き換わったわけですが、まあビューティーケア成分としては、どっちが上とも言えないですね。下がっているとも言えませんが。

エキスについては下の方に、新製品の全成分についてコメントを書いたので、興味ある人は見てください。

 

 

ということで今回のリニューアルのポイントは「アクアブースターEX粉末」に絞られます

 

新製品で新規に追加されている成分は、粉体に関するものとしては

 

・メタクリル酸メチルクロスポリマー(サラサラ感のあるプラスチック粉体)

・シリカ(サラサラ感のある無機粉体)

 

だけですね(^_^;)

逆に新製品で無くなった物も多く次のものが挙げられます。

・ハイ ドロゲンジメチコン(粉体の表面被覆用のシリコン)

・メタクリル酸メチル(サラサラ感のあるプラスチック粉体)

・ポリブチレングリコール/PPG-9/1コポリマー(乳化剤)

 

さてここから考えると・・・

うーむ、難しい(^_^;)

 

こんな時は資生堂の特許を読んで、技術の流れを推測します。

 

例えば今回はこれです。

酸化チタン分散体およびそれを配合した化粧料(出願2008-12-18)

日焼け止めの組成についての特許です。

この中でこんな件があります。太字の所を読んでください。

文中アルミナというのは、裏面表示では水酸化Alのことです。

 

本発明で用いられる(a)疎水化処理した酸化チタン処理粉体に用いられる酸化チタンとしては、シリカまたはアルミナで被覆された酸化チタンが好ましく、例えばシリカ被覆酸化チタンをシランカップリング剤およびカチオン性界面活性剤で疎水化処理した酸化チタン処理粉体(例えば、テイカ社製の酸化チタンOTQ-MT-100Si)、シリカ被覆酸化チタンをシランカップリング剤で疎水化処理した酸化チタン処理粉体、アルミナ被覆酸化チタンを高級脂肪酸で疎水化処理した酸化チタン処理粉体(例えば、石原産業社製の酸化チタンTTO-S-4)、シリカおよびアルミナ被覆酸化チタンを高級脂肪酸およびアルキルシランで疎水化処理した酸化チタン処理粉体が挙げられる。

 

 

とあります。

これから推測するとシリカは粉体として使用されているのでは無く、酸化チタンの表面を被膜するのに使われるのが、資生堂の通常技術のようです。

酸化チタンというのはそのままだとスゴくきしんで、引っかかり感がある使用感なので何かで、何かで被膜するものなのです。

 

とすすると、今回の製品は以下のように考えられます。

 

1)旧製品では水酸化Alで被覆した酸化チタンを使用していたが、新製品ではその一部をシリカで被覆した酸化チタンに置き代えることでサラサラ感を増している。これにより、表面被覆用のシリコンであるハイ ドロゲンジメチコンや、一部の乳化剤(ポリブチレングリコール/PPG-9/1コポリマー)もも不要となった。

2)旧製品ではプラスチック製のサラサラ粉体として、メタクリル酸メチルを使っていたが、これをよりサラサラなメタクリル酸メチルクロスポリマーに置き代えた。

 

2)のプラスチック製のサラサラ粉体については色々な原料があるので想像になってしまいますが。しかし実は、新製品に配合されているメタクリル酸メチルクロスポリマーは、この新製品が初の登場ではありません。2017年委に発売された、金のアネッサのマイルドタイプの時から配合されていました。

 

資生堂 アネッサ エッセンスUV アクアブースター マイルドタイプの解析2 処方解析編2017.8.24追加

 

金のアネッサのマイルドタイプはエタノールも含まない重いテクスチャだったので、少しでも軽くするためにこれを配合していたのだと思います。そこからの類推です。

 

と書いてくると、意外にに面白みは無いリニューアルだった気もするのですが(^_^;)

実際に効果は落とさず、使用感は自然になっています。

これは油剤のパートで新規に追加された、シクロペンタシロキサンの効果が大きいのだと思います。

資生堂さんのニュースリリースには何も書いていないですが、シクロペンタシロキサンにような環状シリコン類は水のようにサラサラで、ジメチコンの一部を置き換えることで、乳化物を塗ったあとののサラサラ感を増しますので。

 

さてこのあたりでアネッサ新製品のパーフェクトUV スキンケアミルク(2018年)の解析は終わりです。

あとはほとんど変更が無いです(^_^;)

興味がある人は、上記の旧製品のエントリーを見てください。

 

技術的には大きな変更はないのですが、イメージ作りはうまいですね。

こう書いてしまうと悪口っぽくなってしましますが、実際に新旧を差別化できているのはスゴいことです。

イメージに合わせられる、モノ作りの技術も、またうまい・・・と言えるでしょう。

 

あとは新製品の全成分について、コメントを書きました。

興味のある方はどうぞ。

 

油性成分

・ジメチコン :いわゆるシリコン油のことです。

・ミ リ スチン酸イソプロピル :エステル油という種類の油で、軽い感触が特徴です。活では表示義務成分に指定されていたこともあり、皮膚の弱い人はやや注意すべき油でもあります。

・シクロペンタシロキサン:化粧品で一般的に使われる環状シリコン油。さっぱりしていて揮発性が高い。

・イソドデ力ン :スクワランに似た軽くてさっぱりした使用感の油です。ただし石油由来です。

・セバシン酸ジイソプロピル:エステル油という種類の油で、軽い感触が特徴です。

・パルミチン酸デキストリン :油の中に少量溶解させることで、油の粘度を上げるkとこが出来る原料です。日焼け止めの製剤の安定性を高める効果があります。

・トリメチルシロキシケイ酸 :日焼け止めに耐水性を与える特殊なシリコン油です。

・トリエトキシカプリリルシラン :粉体の表面処理剤(粉体の表面をコートして、粉体を油と馴染みやすくする原料)です。

・イソステアリン酸 :液状ですが、重い使用感の油です。

・ステアリン酸:中和すると洗浄剤となるが、そのまま使うと固形の油としての効果でエモリエント剤になる。また、粉体の表面処理剤(粉体の表面にコーティングされ、油と馴染みやすくする試薬)として、使われることがある。アクアブースター技術の中では重要成分。

・トコフェロール:別名ビタミンE。抗酸化性に優れる油。ただし感触はべったり系。

 

紫外線吸収剤

・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル:UVB吸収剤。1960年代から使用されている。

・オクトクリレン:別名2―シアノ―3,3―ジフェニルプロパ―2―エン酸2―エチルヘキシルエステルとも呼ばれる、UVB吸収剤。。紫外線吸収効果は高くなく、そのため光に対して比較的安定。水に溶けない性質を生かして、日焼け止めの耐水性を向上させる目的で配合されたり、紫外線吸収剤を安定化する目的で配合されることが多い。

・ジエチルアミノ ヒ ドロキシペンゾイル安息香酸へキシル :UVA吸収剤。日本では、2005年から使用許可されています。

・ビスエチルへキシルオキシフェノ一ルメ トキシフェ二ルトリアジン:UVA・UVBの両方を吸収する、紫外線吸収剤。日本では、2007年から使用許可されています。

 

乳化剤

・PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン;シリコン系の乳化剤です。分子内にシリコン構造を持つ化合物なので、シリコン油を乳化しやすい性質が有ります。日焼け止めでは良く使われている乳化剤です。

・PEG/PPG -14/7ジメチルエーテル:プルロニック型とも言われる、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールが結合された原料で、可溶化力の高い。水溶性なので乳化剤というか保湿剤というか微妙。

・ジステアリルジモニウムクロリド:カチオン界面活性剤。乳化安定機能は高いが、今回は単独の配合ではなく、ジステアルジモニウムヘクトライトに含まれる不純物だと思われる。

・ジステアルジモニウムヘクトライト:粘土とカチオン界面活性剤を結合させた乳化剤。乳化安定機能が非常に高い。

 

粉体、顔料

・酸化亜船:紫外線散乱剤。白浮きはしないが、単独では効果は高くない。酸化チタンや紫外線吸収剤と組み合わせて持ちいられる事が多い。

・タルク:ファンデーションなどによく使われる親水性の無機粉体。紫外線散乱効果や吸収効果は無いが、使用感を調整できる。感触は直径にもよるが、すべり感を向上させる事が多い。

・メタクリル酸メチルクロスポリマー:ポリメタクリル酸メチルをジメタクリル酸エチレングリコールで架橋して作られるプラスチック粉体。単独ではなく酸化亜鉛やポリメチルシルセスキオキサン等の他の粉体と複合粉体にされている場合が多い。複合粉体の場合は、コア部分となり、回りに他粉体を付ける構造になる。

・酸化チタ ン:紫外線散乱剤。白浮きするが、単独でも高い効果がある。使用感としては、きしむ感触となる。

・(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン) クロスポリマー:滑りの良いシリコンパウダー。

・シリカ:別名を無水ケイ酸とも呼ばれる親水性性の粉体。サラサラした微粉末で、ふんわりした感触と不透明さを併せ持つ。各種メイク品の他、クリーム、乳液や歯磨き粉など幅広く使われる。

・水酸化Al:白色顔料として酸化チタンの表面被服剤として使われる事が多い成分ですが、肌収斂効果もあります。

    

防腐剤

・フェノキシエタノール:比較的低刺激な防腐剤。ナチュラル系の化粧品に使用される事も多い。

当ブログでは、安全性については以下のエントリーで詳しく書いてます。

プロピルパラベンの安全性についての文献を紹介

 

 

保湿剤、香料など

・水:精製水のこと。化粧品では通常、イオン交換水が用いられている事が多い。

・エタノ−ル:日焼け止めの原料として、ジェル系日焼け止めや、ウォーター系の日焼け止めでは汎用されている。この商品のようながっつりシリコンのッ日焼け止めでは高配合されているのは珍しい。

・グリセリン:安全性に優れた、汎用的な保湿剤。

・キシリトール:還元性基を有しない為、安定に処方可能な保湿剤

・塩化N a:無機塩類。日焼け止めのようなW/O乳化物では、製剤の安定性を高める役割がある。

・チャエキス:緑茶のエキスで

効能成分としてタンニン、アミノ酸、ビタミンCカロチン等が含まれ、酸化防止剤、皮膚コンディショニング剤等に使用される。

・サクラ葉エキス:サクラの葉から得られるエキス。抗アレルギー効果や抗炎症効果、また刺激緩和効果が認められている。そのほかアンチエイジング効果や美白効果、育毛効果も研究されており、マルチな効果をもつエキスとして知られている。

・力二ナバラ果実エキス:ノバラ(ローズヒップ)より抽出されたエキス。。保湿性が高い。

・・アセチルヒアルロン酸Na:天然|l1来のヒア ルロン雌にアセチル基を導入することにより、皮膚への親ホl1性が高め、使用感と角質柔軟効果を向上させた素材です。スーパーヒアルロン酸と呼ばれることおあります。

・トルメンチラ根エキス:ヨーロッパで古くから民間薬として使われている、トルメンチラの根から抽出されたエキス。抗炎症、抗炎症作用のほか、タンニンを多く含む含むため収斂作用や抗菌作用を示す。

・アロエベラ葉エキス:アロエベラの葉のエキスで、粘液質に多糖類を多く含も保湿性が高いエキスである。アロエは火傷や傷などの皮膚損傷の治療薬として昔から使われてきたが、化粧品として使用しても、荒れ肌改善効果や、日焼けによる炎症の改善などに効果がある。最近の研究では、

・加水分解ヒアルロン酸の皮膚浸透を高める作用

・角質層の奥深くまで成分を届ける作用

等が報告されており、その効果が深く解明されている。

・水溶性コラーゲン:動物や魚から得られる、、水可溶性の天然タンパク。

・ローヤルゼリーエキス:ローヤルゼリーからBGやエタノールで抽出されたエキス。保湿、細胞賦活効果の他、美白効果や抗菌効果を有するとのこと。

・PPG-17::ポリプロピレングリコールの1種。水を改質し若干の油性感を与える成分。

・EDTA−3Na:製剤の安定性を保津キレート剤。

・BHT:特に紫外線吸収剤の安定性を保ち、日光による着臭や着色など製剤の劣化を防ぐ。

・イソプロパノール:アルコールの一種だが、エタノールより強い臭いがあり、化粧品で使われる事は少ない。殺菌力もエタノールより強いが、安全性は同程度と言われている。トリートメント基剤となるカチオン活性剤の溶媒として使われている事が多い。

・BG:汎用的な保湿剤。可溶可能も高い。

・ピロ亜硫酸Na:。還元性がある無機塩類。製剤の安定性を保ち、日光による着臭や着色など製剤の劣化を防ぐ。

 

 

 

 

真剣なコメントなので真剣に返信(防腐剤関係)その2

$
0
0

化粧品犬です。

 

Xさんという方から、

コーセー ジュレーム アミノシャンプー モイスト&スムースの解析 後編(処方内容について)

という1015年の古いエントリーに、最近になってコメントを頂きまして。

 

内容は防腐剤についてなのですが、J込みいいた内容なので、返答を兼ねて前回のエントリーを書きました。

そこにもコメント頂いているので、その返信を兼ねて前回書き漏らした事を書いていきます。

 

前回のエントリー

 

 

今度は専門家という方から次のコメントを頂きました

「プロピルパラベン0.1%の処方は普通にありますが。」

 

これはその前に、Xさんが、

「(プロピルパラベンは)条件にもよりますが0.1%存在すれば大体の菌、微生物の増殖を抑えられるでしょう。」

 

と書かれており、化粧品犬がそんな物は無いと反論したことが気に入らなかったみたいです。

 

化粧品犬の言いたいのは、プロピルパラベン0.1%単独使用の製品は存在しない、という意味でした。

何度か書きましたが、例えば以下の文献が公開されています。

 

市販化粧水中のフェノキシエタノールおよびパラベン類の分析法に関する研究

国立医薬品食品衛生研究所報告(2003年)

http://www.nihs.go.jp/library/eikenhoukoku/2003/2003_notes_25.pdf

「市販化粧水42品を調査したところ、プロピルパラベンは単独での使用例無し」

 

 

しかし少し書きすぎてしまったかもしれません。

よく考えたらこれは化粧水にかぎっての研究でしたから、スキンクリーム等では「プロピルパラベン0.1%単独使用」可能性はありますね。

 

この種の議論で良く引用される文献によると(これも以前にも挙げたのですが)

 

東京都健康安全研究センター研究年報 第62号

化粧品中の防腐剤であるパラオキシ安息香酸エステル(パラベン)の濃度(2011)

東京都健康安全研究センター研究年報 第62号

http://www.tokyo-eiken.go.jp/assets/issue/journal/2011/pdf/01-14.pdf

 

この中では

「パラベン類の表示がある化粧品64品中、メチルパラベンの検出数60品」

 

と言う記載があるので、64-60=4品は、「プロピルパラベン0.1%単独使用」の可能性があります。

 

まあこの文献には細かくは書いていないのでこの4件がプロピルパラベン単独使用なのか分かりませんし、64品中4品と言う割合が、専門家さんがコメントされた「プロピルパラベン0.1%の処方は普通にありますが。」という、普通の割合かという所も疑問です。

また2011年の報文で4/64件てあったとして、現在では7年経ってますから、ノンパラベン化が進んだ現在、それらの製品が存在するかも疑問ではあります。

ただ、絶対存在しないとは言い切れませんね。

なので化粧品犬の意見は、

「プロピルパラベンは単独での使用例は、ほぼ存在しない」

に訂正させて頂きます(^_^;)

 

 

また、化粧品犬がプロピルパラベンを使うべきでは無いと考える理由に、刺激はメチルパラベンより高まるが、防腐性はそれほど高まらないという点があります。

これはコメント頂いていたxさんと大きく異なります(xさんはプロピルパラベン至上主義)。

理由はパラベンメーカーの上野製薬さんが出しているデータです。

ネットで公開されています。

パラベンの効果と安全性 上野製薬

https://www.ueno-fc.co.jp/chemistry/pdf/PARABEN_HP%20DATA_2015_jp_3.pdf

 

ここの7-8ページに「パラベンの抗菌力(モデル化粧品への添加法)」と言うページがありまして。

文章としては

「メチルパラベンにエチルパラベンあるいはプロピルパラベンを組み合せること
によって、メチルパラベン単独使用よりも抗菌力の増大がみられた。」

 

となっているのですが、堂も結果は微妙です。はっきり言って逆になっているデータも見られます。

分かりやすいように、逆になっている部分(黒カビに対する効果)を抜き出してみます。

こんな感じです。

(下に行くほど菌が居なくなるグラフです)

 

なんと黒カビに対しての強さは、

メチルパラベン0.3%>メチルパラベン0.2%+プロピルパラベン0.1%

と言う結果です。

つまりメチルパラベンの一部をプロピルパラベンに置き代えたら、防腐力が下がってしまった、と言うことです。

 

ちなみにカンジダに対しるデータも出ているのですが。こちらははちゃんと

メチルパラベン0.3%<メチルパラベン0.2%+プロピルパラベン0.1%

になっています。

 

黒カビもカンジダも、化粧品では生えてはいけない菌ですからね。

この結果の解釈は色々ですが、プロピルパラベンの防腐力は絶対的に強いものでは無い、事は言えると思います。

またこの結果は、十分に検討すれば、プロピルパラベンをメチルパラベンで置き換えられる可能性がある、ことを示唆していると思います。

 

化粧品犬もシャンプーなどの洗い流す製品ではメチルパラベンは使います。プロピルパラベンは使いませんが(^_^;)

洗い流す製品では、

メチルパラベン0.2〜0.3%+安息香酸Na0.2〜0.3%+BG及びキレート剤併用

で、大体防腐できますね。

防腐剤は配合量まで表示すべきかな、と思います。

 

またこの件で読者のおすずさんからも、コメントを頂いています。

直接関係は無いのですが、気になることが書いてありました。

引用します。

「個人的にフェノキシエタノール0.7%でアレルギー的反応が出たことがあります。」

ノンパラベン処方では多くの場合フェノキシエタノールという成分が使われているのですが、実際にはこれも結構痛いです。

防腐剤なので当たり前ではありますが、無節操に使って良いものではありません。最低量にしなければなりません。

防腐力自体はメチルパラベンより弱いので、洗い物に使うと大量に使うことが多くなりがちで、あまり向いていません(できなくはありません)。

主にスキンケア用ですね。

スキンケア製品では

フェノキシエタノール0.3〜0.4%+BG、キレート剤併用

ぐらいで使うのが、肌刺激と防腐力の点で、程よい落としどころのようです。

 

で化粧品が販売させて頂いているアミノコルベイユオールインワンジェルクリームですが、防腐剤の所は悩みまして。

化粧品犬自身は、

フェノキシエタノール0.3%+キレート剤併用

だと、処方によっては、微妙にピリッと感を感じる事があるのです。

 

そこで初公開してしまうと、アミノコルベイユでは

フェノキシエタノール0.25%+BG、キレート剤併用

で防腐しています。

0.3→0.25%の変更ですが、結構これがピリッと感を減少させる。

何を使って-0.05%しているかというと、アミノ酸系の、防腐効果のある成分「CAE」(ココイルアルギニンPCA)という成分を、0.01%だけ添加し、防腐力をブーストしています。

 

「CAE」(ココイルアルギニンPCA)は味の素が出している原料で、防腐剤では無いけど防腐力があり、安全性も高いという不思議な成分です。ついでに生分解性も高く、値段も高い(^_^;)

大抵のクリームの系を崩し分離させる暴れん坊なんですが、0.01%程度なら配合できるのです。

これは中々のハイテクなんですよ(^_^;)

 

これでフェノキシエタノール037%がNGのおすずさんも、充分使える製品になったわけです。

 

漫然と書いてしまいましたが、これで終わりです。

 

 

 


乳化剤の性能評価(可溶化力)

$
0
0

化粧品犬です。

 

最近、解析ネタをブログに挙げてる暇が無い。。。

というわけで、今回は仕事でとったデータ(無難そうなやつ)をネタにしてみます。

 

 

 

題して乳化剤の性能評価(仮想アクアインプール(^_^;))です。

アクアインプールというのは、資生堂さんがよく使用している乳化剤です。

アクアインプールというのは資生堂がつけた愛称で(^_^;)、具体的な化粧品での表示名称は、「PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル」になります。

(またこれに近い構造のものをアクアインプールと呼んでいる事もあります)

 

難しくて覚えにくい名前ですが、最近の資生堂では、本当に多くの製品に配合されています。

例えばアネッサではほとんどの製品に配合されているし、dプログラム、アクアレーベルローションやメーク落とし、果ては洗顔フォームにまで配合されているのです。

アネッサではアクアブースター技術のキー成分でもある。

化粧品犬ブログでも何度も取りあげています。

 

 

どういう成分かというと、公式HP内にも説明ページがあります。

アクアインプール 美容成分辞典 資生堂グループ企業情報サイト

 

ここを読むと「「保湿成分」と「油分」の両方の作用を併せ持つ成分」ということで、とりあえず化粧品犬ブログでは乳化剤と呼んでいます。

過去には「これって乳化剤なんですか?」と質問が来た事もありますが、今回は申し訳ないけど、その議論は省きます。ごめんね。

 

さてこの資生堂のページとかを読むと、とても試したくなってしまう成分ではあるのですが、資生堂専売品で外販していません。外販していても特許を押さえれているのでどうにもなりません。

 

で資生堂が委託しているであろう会社に「似ている原料ないの?」と聞くと、「これなら資生堂の特許に、ひっかかりません!」と言って出してくるのが、今回使うPEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/6/3グリセリン(商品名ウィルブライドS-753D)と言う乳化剤です。

ちなみに日油さんという会社の原料です。

日油さんは脂肪酸や洗浄剤、乳化剤などを作っている、日有本数というか世界レベルの会社です。

*今回日油さんには、社名を出す許可は貰ってます(^_^;)

 

 

今回はこのウィルブライドS-753Dの乳化剤としての性能を見るため、乳化しにくいセラミド系オイルを水に可溶化してみました。

可溶化って言うのは、乳化剤を使って油を水に分散させる操作でして。

この可溶化力が強いと、油を半透明〜透明に水に分散させる事が出来ます。

乳化剤の効果は多様なものがあるのですが、これは乳化剤の効果を見る、一つの指標というわけです。

 

実験操作としては、75℃に加熱した乳化剤1%+油1%に、同じように75℃に加熱したお湯をゆっくりと加えます。

 

油は可溶化しにくい油である、アミノ酸由来のセラミド類似オイル「ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)」(商品名エルデュウPS303:味の素)を選びっました。何故かというと仕事の都合です(^_^;)

値段はたかいのですが、かなり多くの化粧品に配合されている、セラミド類似オイルです。

 

乳化剤としては次の3つを選びました。

1.アミノ酸系乳化剤である、「PCAイソステアリン酸PEG-40水添ヒマシ油」(ピロテルCPI-40:日本エマルジョン)

2.海外で非常に有名な乳化剤・可溶化剤である、PPG-26ブテス-26(これは、PEG40水添ヒマシ油、水との混合物を使用)

3.PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/6/3グリセリン(商品名ウィルブライドS-753D)

 

なぜこの3つを選んだかというと、、これも仕事の都合(^_^;) すみません。

1番目に挙げた乳化剤は、どちらかというとヘアシャンプーの過脂剤として使われる事の方が多い原料です。

2番目に挙げたPPG-26ブテス-26は海外では知らないものは無いと言うぐらい、よく知られた超メジャー原料なのですが、日本の処方屋さんの間ではややマイナー、、と言う変わった原料です。

 

 

さて結果はどうなったかというと。

思ったよりはっきりした勝敗がつきまいsた!

 

以下に写真で示します。

 

ウィルブライドS-753Dの圧勝と言う結果でした。

まさか半透明でも無く、透明に溶かすとはね〜。恐ろしい子(^_^;)

 

1%のアミノ酸由来セラミド系オイルを、乳化剤1%できれいに溶かすとは、、、実は素晴らしい可溶化力なんですよ。

正直、あまり見かけないほどの強力さです。

 

ピロテルやPPG-26ブテス-26も可溶化力は強いのですが、ウィルブライドS-753Dの強さには一歩及ばない感じでした。

ここから化粧水にに応用したりできるわけです。まあ、セラミド系オイル1%は、化粧水には濃すぎるけど(^_^;)

 

斬新な結果でした。

 

 

今回はこれで終わりですが、ウィルブライドS-753Dの性能の一端が見えた気もします。

アクアインプールについても同様です。

 

なんか、興味ない人には、???というエントリーになってしまって申し訳ない。

 

 

 

資生堂アネッサ パーフェクトUV スキンケアジェルの解析 概要編

$
0
0

化粧品犬です。

 

長く休んでしまって済みません。

夏休みを満喫していました・・・でなく、忙しくて手が回りませんでした(^_^;)

 

まだ忙しいのですが、あまり休むのもアレなので、頑張って更新してみます。

 

今回は資生堂の2018年度の新製品である、アネッサ パーフェクトUV スキンケアジェルです。

2018/2/21発売の製品ですね。

 

いわゆる金のアネッサというと資生堂の日焼け止め「ミルク」を指すのですが、本製品は簡単に言えばそのジェル版です

 

ただ、金のアネッサはW/O製剤と言って油の中に水滴が浮いた構造なのに対し、この製品はO/W製剤と言って水の中に油滴が浮いている構造なので、どちらかというとビオレの美容液やジェルと同じような構造です。

なので、金のアネッサのような超絶ウォータープルーフ性は期待できません。

その代わり金のアネッサより量が多く値段が安い。おまけに使用感も良い(好みにもよりますが)

 

O/W製剤は水が多くなるので、コストが安くなるのです。

といっても本製品は、ビオレUV美容液ほどは安くはありませんが(^_^;)

そしてビオレUV美容液と同様に、O/W製剤は、軽くて伸びも良い処方が作りやすいので、使用感も良くしやすいのです。

 

また、金のアネッサは店頭でよく売り切れているので、同じアネッサブランドと言うことで、ついこの製品を買ってしまう(^_^;)

資生堂さんは本当に商売がうまい(^_^;)

そんな製品です。

 

ただ一点だけ、この製品には、どうにもお勧めしかねる原料が配合されています。

今回はそんなことを書いていくエントリーになります。

 

その点に目をつむれるなら、買って損の無い製品です。特に、金のアネッサ程効果が高くなくて良いけど、ビオレでは心許ないという方には、使用感も良いし、」なかなかお勧めですね。

 

ではもう少し深く見て行きましょう。

 

外観

こんな感じです。

 

金のアネッサに似に手デザインラインですが、こちらは高級感のあるチューブです。

値段は2000円/90gぐらいなので、金のアネッサより500円ぐらい安く、それいでいて量は2倍近い。

 

使って見るとウォータープルーフ性は金のアネッサには及ばないぐらい(使用実感で)ですが、アクアブースター技術搭載です。

ただし今年より金のアネッサに搭載された最新の「アクアブースターEX」ではなく、ただのアクアブースターで、これは一昨年の金のアネッサがら使われているものです。

このちょっと古いアクアブースター技術は、実は去年販売された旧製品のジェルから継続して使われています。

 

概要

このアネッサのジェルは、完全な新製品では無く、旧製品の位置付けを少しだけ変えた上での、リニューアルです。

 

旧製品は2017年に発売されており、その名称は「パーフェクトフェイシャルUVアクアブースター」で、顔用を強調した製品だったのですが、金のアネッサに合わせて「フェイシャル」と言う言葉が取れて、単なるスキンケアジェルになったようです。

 

しかし2018年度より銀のアナッサが商品ラインから消えたため、この製品の重要度が増したらしく、ちゃんとニュースリリースにも取りあげられています。

ニュースリリース

 

関連する部分を抜粋しコメントを入れていきます。

 

(1)アクアブースター(EX)技術

 

今回取りあげているジェルではExのない、従来通りのアクアブースター技術が採用されています。

アクアブースター技術は何度も書いてますが、水道水や海のCaイオンと、製品に配合されているステアリン酸+アクアインプール(PEG/PPG-14/7ジメチルエーテルのこと)が反応して、水がかかると膜が強くなる・・と言う技術です。

 

(2)50%スキンケア成分配合で、未来の美肌を守る「ビューティーサンケア」

(〜前略)日焼け止め効果の高いものは、肌への負担があると考えている方が多いことが分かりました。アネッサの日焼け止めには軽やかな使い心地で美容成分(アセチルヒアルロン酸※2、マリンコラーゲン、アロエエキス、バラ果実エキス・DG、緑茶エキス・桜葉エキス、トルメンチラ・ジグリセリン)を厳選配合し、うるおいを与え、乾燥ダメージもケアします。今はもちろん未来の美肌を守ります。

 

ここは、同時発売された金のアネッサ(2018)と共通です。

旧製品にも美容成分は結構配合されていたので、その入れ替えに過ぎない感が出てしまうのも同様ですね(^_^;)

 

 

(3)新乳化「コアコロナ」技術 

さまざまな種類の油と水を自由な配合比率で自在に混ぜることができる全く新しい乳化技術「コアコロナ乳化」を開発。両立が困難だった「みずみずしい塗り心地でありながら水に強いサンスクリーン」が実現できました。

 

問題は、この項目です。

リリースの文章を呼んでものよくわからないのですが、資生堂のHPの中に説明ページが設けられています。

 

油分・水分を自在に混ぜる新乳化技術「コアコロナ乳化」を開発

「界面活性剤を使うことなく、さまざまな種類の油と水を自由な配合比率で自在に混ぜることができる全く新しい乳化技術「コアコロナ乳化」を開発しました(図)。(中略)油になじみやすい骨格(コア)部分と水になじみやすい周辺(コロナ)部分をあわせ持つ「コアコロナ粒子」というポリマー微粒子を設計、開発しました。これは従来の界面活性剤に比べ100倍以上となる直径をもつ粒子状の物質です。コアコロナ粒子は、さまざまな種類の油と水を自由な配合比率で自在に乳化することができ、従来の界面活性剤をはるかに超える高い乳化性能を持っています。」

 

また特許も出されています。

コロナ-コア型ミクロゲル乳化剤及び水中油型乳化組成物

 

これは、コアコロナ型の微粒子で、乳化剤のの代わりをさせるという技術です。

なかなか面白い試みなのですが、意地悪な言い方をすれば、技術的には面白いものの、既存の乳化剤の代替なので、出来上がる日焼け止めが劇的に変わるわけでは無いとも言えます。

 

またF具体的にどの成分がコアコロナ型の微粒子なのかというと、それが分かるようには、書いてありません。

そこで、上記の特許を読むと、アクリル酸系のポリマーを核に、そこから親水系のポリマーがもじゃもじゃ生えたような構造らしい。

それらしものを裏面表示から探してみると、確かにそれに相当するものがある。

「(アクリレーツ/メタクリル酸メトキシPEG-90)クロスポリマー」

と言う成分です。アクリル酸系のポリマーを核に、PEG(ポリエチレングリコール)のひげが生えているイメージです。

しかしですね、、、実はこの成分、2017年に発売された、旧製品から配合されてます(^_^;)

これはあれです。

資生堂さんお得意の、「従来からあった技術を、後になってセールスポイントとしてアピールする」といいう手法ですね(^_^;)

アクアブースター技術もこのやり方だったのですが、味をしめてしまったのかな(^_^;)

技術自体は否定はしないのですが、売り方がちょっとあざといなあ。

 

ここまでが、製品概要として押さえるところです。

 

重要な問題はここからです。

化粧品犬がこの製品はお勧めでき無い、と思う点について書きます。

 

以前に日焼け止めについて、こんなエントリーを書いたことがあります。

ニベア花王 サンプロテクトウォータージェル SPF50の解析

「紫外線吸収剤は肌に悪い」という話の原因となった古い紫外線吸収剤は、すでに使用されなくなっていると言うことです。

古い紫外線吸収剤とは、例えば、

・パラジメチルアミノ安息香酸2エチルヘキシル  (UVB吸収剤)

・オキシベンゾン  (UVB吸収剤)

・サリチル酸2エチルヘキシル  (UVB吸収剤)

・4-tert-ブチル-4-メトキシ-ベンゾイルメタン  (UVA吸収剤)

とかですね。いずれも最近は配合されることが減っています。

 

 

というわけで、過去に肌トラブルの原因となった古い紫外線吸収剤の例を4種挙げたのですが。

今回のアネッサのジェルは、このうちのオキシベンゾンが、何故か今になって使用されているのです。

(正確には、医薬部外品の表示名がオキシベンゾン、化粧品の表示名はオキシベンゾン-3です)

 

じつは、別に避けていたわけではないのですが、オキシベンゾンが配合された製品を取りあげるのは、ブログを作ってから初めてです。

正直実際に配合されてるのは見た事が無く、目を疑いました。

 

旧製品では使われてません(^_^;)なぜ、いまになって?

本当に理解できないし、とても残念です。

 

資生堂さんは消費者をなめすぎだ、というのは分かりましたが。

またなんとなく製品レビューにも表れてて、@cosmeのレビューに「肌に合わなくて痒くなった」という怖い意見も散見されます。

評判はすごく良いんですがね・・・。

@cosme アネッサ パーフェクトUV スキンケアジェル

 

 

 

オキシベンゾンってそんなの悪いの?

と思われる方向けに、いくつか例を挙げていきます。

 

まずこれ。厚労省が出しているSDS(安全性データシート)です。

安全データシート(2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシフェニル)(フェニル)メタノン

 

これを見ると、毒性としては、急性毒性、眼刺激、皮膚刺激とも高い物ではない(皮膚刺激はややあるというデータもあるが、顕著に高くはない)。

問題は皮膚感作性(アレルギー性のこと)の項目です。以下の記載があります。

 

本物質は日焼け止め剤として使用され、アレルギー反応が報告され(Contact Dermatitis (4th, 2006))、Contact Dermatitis (Frosch) (4th, 2006)に感作性物質として掲載されている。なお、ヒトの事例として、日光による湿疹様発疹の再発に悩まされていた42歳女性が、光パッチテストにより本物質に対する光感作性を有することが明らかにされた(NTP TOX21 (1992)、HSDB (2007))こと、また、光感作性の病歴のある62歳男性が本物質を含む遮光剤使用後、接触性皮膚炎を発症し、パッチテストで陽性反応を示した(HSDB (2007))。(GHS分類:区分1)

 

アレルギー反応が報告されていますね。それだけでもアウトなのですが、さらに光に当たるとアレルギー反応を引き起こす、光感作性も報告されている(^_^;)

 

紫外線吸収剤として致命的です(^_^;)

 

あと、生殖細胞変異原性については、日本では試験管で行えるAmes試験をやり、それがクリアできない場合は動物を使った小核試験を行いなさい、という指導なので、これはOKです。

 

生殖毒性は、化粧品や医薬部外品では指導はないのですが、書いてある動物実験の結果と説明として書いてある以下の文章が気持ち悪い(^_^;)

いかに引用します。

本物質は全身毒性を引き起こすが受胎および生殖への影響は軽微(minimal)である(NTP RACB88076 (1990))

生殖毒性は軽微でも問題だし、全身毒性を引き起こす

 

このSDSからは、アウトな成分としか思えません

 

そのほか、この成分はダメだと言う報文は多いんですよ。

環境ホルモンよ言う疑いももありますが、環境ホルモンの定義も曖昧なのでその辺は省きます。

それらをまとめたサイトも結構多い。

 

良いまとめをしてくれているサイトとして、以下を紹介しておきます。

オキシベンゾン-3とは…成分効果と毒性を解説

 

また、ちょっとヒステリックなのですが、ハワイではサンゴに害があると言うことで、2021年から使用こいんしになるようです(^_^;)

 

ハワイ、日焼け止め禁止 サンゴ礁保護で2021年から

 

ただこれ、オキシベンゾンと一緒に  オクチノキサート(汎用されている紫外線吸収剤のメトキシケイヒ酸エチルヘキシルのこと)まで規制しようとしているんですよね。それは無理だろ(^_^;)

 

そもそもメトキシケイヒ酸エチルヘキシルは顕著な毒性はない。

メトキシケイヒ酸エチルヘキシルの毒性については、今回のテーマではないので省きますが、興味のある方は、化粧品成分オンラインを見て頂くと良いかと。

頼りになるサイトです。

 

化粧品成分オンライン-メトキシケイヒ酸エチルヘキシルとは…成分効果と毒性を解説

 

 

@cosme評価

評価はとても高いです。

以下の通り。

クチコミ 201件、注目人数 504人。評価点は5.9点で、日焼け止め(ボディ用)ランキング5位。

でもオキシベンゾンが入っているから私は買いません(^_^;)

 

CM

ジェル単独の物は無いですね。

金のアネッサのCMの最後にちょろっと出てきます。

https://www.youtube.com/watch?v=qG7LYNJ4ERM

 

使用感など

日中つけていると、金のアネッサは夕方でも肌に残って、落ちきっていないけど、このジェルは結構落ちてしまっているのを体感するので、ウォータープルーフ性とかは、やや劣るのだなと思います。

でも使用感は良いし、安いから良いかなーと思っていたのですが、、

なんとオキシベンゾン配合とはね!

意外で、残念です。

来年にはこの成分は、ぜひ外して欲しい。

 

次回は、成分を解説していく処方解析編です。

 

 

 

 

 

資生堂アネッサ パーフェクトUV スキンケアジェルの解析 処方解析編

$
0
0

化粧品犬です。

 

今回は資生堂の2018年度の新製品である、アネッサ パーフェクトUV スキンケアジェルの解析の2回目です。

処方解析編をお届けします。

 

前回の製品概要編はこちら

 

 

いわゆる「金のアネッサ」は、日焼け止めミルクなんですが、これは同じアネッサブランドだけど、日焼け止めめジェルです。

一応同じ「アクアブースター技術搭載」と言うことで処方内容に、キー成分であるPEG/PPG-14/7ジメチルエーテル(通称アクアインプール)と、ステアリン酸が組み込まれています。

しかしこの製品はO/W製剤と言って、水の中に油滴が浮いている構造なので、ウォータープルーフ性は金のアネッサほどの効果は、ありません。

むしろ、花王のビオレUVエッセンス等に近い製品です。

 

しかしブランドにおんぶしただけの製品というわけでは無く、乳化物を作る技術的に面白い試みをしている点もあり、使用感は高い物となっています。

 

しかも、普通は日焼け止めのリニューアルサイクルは2年が常識なのに、今回は1年でのリニューアルなんですよ。当然処方はほぼ同じと思いましたが、調べてみるとフルモデルチェンジに近い。

予想外に、力が入ってました。

 

なんと紫外線吸収剤の組み合わせまで改良されていたのですが(これやると、SPFデータを取り直しさせられる)、、、、そこに落とし穴がありました

詳細は後ほど書きますが、資生堂のお得意の「光スタミナ技術」(紫外線吸収剤の分解を防いで効果を長持ちさせる技術)のキー成分である、UVB吸収剤のオクトクリレンをあえて排除して、かわりに分解したり皮膚感作性(アレルギー性)があることで有名な紫外線吸収剤である、オキシベンゾン(化粧品表示名称オキシベンゾン-3)を新たに配合してしまったのです。

なんで光スタミナ技術を捨ててまでオキシベンゾンを使ったのか、理由は不明ですが・・・。

これは2重の意味で衝撃ですね。一つ目は、評判の悪いオキシベンゾンを平気で使うんですか?、と言うこと。二つ目は、光スタミナ技術って簡単に捨てて良い程度の効果だったの?と言う事です

 

今回の解析では上記の

 1)乳化技術

 2)オキシベンゾン配合

の2点を、メインに見て行きます。

 

 

では早速解析にいきましょう。

まずいつものように裏面を整理します。

 

今回は、リニューアル前の旧製品である、パーフェクトフェイシャルUVアクアブースター(2017年)の裏面表示も整理し、新製品であるパーフェクトUV スキンケアジェル(2018年)と併記してみます。

 

原料の機能毎にパート分けし、パート内の表記順番は裏面のまま変えずに記入しています。また共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

 

こんな感じになりました。

 

 

 

1年でリニューアルしたとは思えないぐらい変更点が多い。

おそらく2017年に旧製品が出来た時点で、新製品も検討開始していたのでしょう。

 

ここからは特に今回の製品のポイントとなる、乳化剤と紫外線吸収剤から解析して行きましょう。

(新製品については、個々の原料については簡単なコメントをつけましたので参考にしてください。

まとめて後半に書いてあります。)

 

まず乳化剤について。

新製品の訴求点のひとつが、前エントリにも書いた、新素材「コアコロナ型乳化剤」というものです。

これだけで乳化できます_と言うのが今回の売りなのですが。

コアコロナ乳化剤については、前エントリか、以下のリンクを参照です。

前エントリ

 

油分・水分を自在に混ぜる新乳化技術「コアコロナ乳化」を開発

 

 

上の表の乳化剤パートを見れば、このコアコロナ型乳化剤(表示名(アクリレーツ/メタクリル酸メトキシPEG-90)クロスポリマー)は、実は新製品から配合された新原料では無く、旧製品から配合されていたと言うことが、分かります。

 

旧製品ではこの(アクリレーツ/メタクリル酸メトキシPEG-90)クロスポリマー単独では自信が無かったのか、さらに追加で4種類もの乳化剤((メタクリル酸メチル/メタクリル酸PEG/PPG-4/3))クロスポリマー、PEG-60水添ヒマシ油、セスキイソステアリン酸ソルビタン、PEG-12ジメチコン)を併用しています。それを(アクリレーツ/メタクリル酸メトキシPEG-90)クロスポリマー単独で乳化できる事が分かりました、と言うのが今回の新製品なのでしょう。

(ちなみにPEG/PPG-14/7ジメチルエーテルはHLBが高すぎて乳化能力自体は低いのでノーカウントとあいます。また、ジステアリルジモニウムクロリドも、おそらくシリカの被覆材用なので、おまけして乳化剤としてはノーカウントとしました)。

 

相変わらず資生堂的な、酷いマーケティング戦略だな、と思いますが(^_^;)

 

しかし一般的に、乳化剤というのは、少ない方がべたつきが少なくなり良い使用感になるんですよ。

なのでモノ作りの方向性は間違ってないです。マーケティングが、ちょっとインチキ臭いだけ(^_^;)

 

次は新製品の、もう一つのポイントである、紫外線吸収剤について。

冒頭でも書いたオキシベンゾン問題ですね。

冒頭で詳しく句書いてしまったのですが、上記の表中の紫外線吸収剤のパートを見ると分かる通り、旧製品のオクトクリレンを、あえて皮膚感作性があり分解もする起こしベンソンに置き換えてます

オクトクリレンは紫外線吸収剤としての効果は低いけど、他の紫外線吸収剤の分解を抑える効果がある(これを光スタミナ技術という)と宣伝していたのは資生堂自身なのに、です。

光スタミナ技術については、以下の資生堂の公式をどうぞ。

光スタミナ技術で、紫外線を攻略!

 

 

オクトクリレンは他の紫外線旧主剤の分解を抑えると書きましたが、旧製品も新製品も、分解する紫外線吸収剤吸収剤は、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルしかありません(新製品で追加されたオキシベンゾンは除く)。むかしなら、色々な分解されてしまう紫外線吸収剤が配合されていたので、このオクトクリレンの配合は意味があったかもしれませんが、分解しない紫外線吸収剤が主流になった現在、光スタミナ技術は、あまり意味の無い技術になったので無いか?と思っていましたが、資生堂さんが自発的に新製品からこの技術を排したことで、それが裏付けられた格好です。

旧製品の商品説明ペ−ジを見ても光スタミナ技術は強調されているのですが、それを新製品では、しれっと無かったことにしている。

 

旧製品の@cosme商品ページ

 

 

 

資生堂のマーケティングは本当に信用で混ません(^_^;)

そしてオクトクリレンの代わりに配合されたオキシベンゾンについては、前エントリでも散々書きましたが、分解する上に感作性あるという代物です。

まだ使われておいたんだ、」という驚きすらありますし、ブログを始めてから使われている製品を初めて見た(^_^;)それがアネッサだったとは・・・とても残念です。

他の3種の紫外線吸収剤については、定石通り。巣通です。

 

 

他のパートについても簡単に触れておきます。

 

まず油性成分のパート。

セバシン酸ジイソプロピルと言う軽い油は残しているものの、イソドデカンという石油系の油を排し、より軽い使用感のジメチコン(一般的なシリコン油)主剤に大きく変更。シリコン油と普通のオイルは混ざりにくいのですが、両者のつなぎとなる、カプリリルメチコンもしっかり配合してあります。

 

また日焼け止めジェルにおいてはウォータープルーフ性の向上のため油ゲル化剤を配合する事があり、旧製品でも2種配合されていたのですが(酢酸ステアリン酸スクロース、パルミチン酸デキストリン)、新製品でも少し変わって2種配合されており((パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン、パルミチン酸デキストリン)、この辺りに、開発が進んだた結果の最適化を感じさせます。

 

あとこの油性成分パートでは、アクアブースター技術の一角であるステアリン酸の配合が特徴的です。

 

次は粉体のパート。

ここも大きく変わっています。

ただ旧製品では酸化亜鉛配合だったものを酸化チタンに変えるなど、意図がよくわからない変更も多いです。

メインとなっている粉体は(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマーと言うファンデーション用の粉なので、この粉体組成は何かのファンデーション製品から持ってきたものなのかもしれません。

 

次は防腐剤のパート。

新製品のみ、防腐剤が配合されています。

これも、これだけでは意図が分かりません。

可能性としては新規に追加されたエキスの中に、これらの防腐剤が含まれていたため、記載せざるを得なかったとかですね。

 

最後、保湿剤類のパート。

このパートは、一般的な日焼け止めジェル製剤と同様に、水とエタノールが多いです。

これは外相が水のO/W乳化物ならではです。

また色々なエキスが新製品で置き換わっていますが、どちらの方尾が良いとも言い難く、マーケティング上リニューアルした感を出すためだと思われます。

処方上目に付くのはまず増粘剤で、旧製品が(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマーというアルコール存在下でも粘度が出しやすいものであいたが、新製品では4種のポリマーの組み合わせ(キサンタンガム、カルボマー、カンテン、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー)になっています。

これは乳化剤を減らした影響を、ここで何とか帳尻をあわせた、ということでしょう。

やはり乳化剤としてコアコロナ型乳化剤((アクリレーツ/メタクリル酸メトキシPEG-90)クロスポリマー)1種だけというのは、相当無理があったと言うことです。

あと普段乳化物では使われない、洗浄愛のラウリルベタインも配合されていますが、これもこっそりと乳化補助をしてるのではと個人的に疑っています(^_^;)

 

これで解析終了。

長かった(^_^;)

お疲れ様でした。

 

あとは原料ごとのコメントを、書いておきます。

 

 

 

油性成分

・ジメチコン :いわゆるシリコン油のことです。

・セバシン酸ジイソプロピル:エステル油という種類の油で、軽い感触が特徴です。

・カプリリルメチコン:改質されたシリコン油の一種で、普通のオイルっぽさも兼ね備えているいるシリコン油です。他のオイルの混ざりやすい特徴があります。

・パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン:オイルを透明にソフトにゲル化する油ゲル化剤です。またチキソトロピー性を有するので、生成したゲルを破壊しても室温で復元します。オイルゲル化機能のほか、オイルの増粘、乳化の安定化、顔料分散効果、ワックスの感触改良(油性感の軽減、結晶抑制)効果などがあります。

・パルミチン酸デキストリン :油の中に少量溶解させることで、油の粘度を上げるkとこが出来る原料です。日焼け止めの製剤の安定性を高める効果があります。

・トリエトキシカプリリルシラン :粉体の表面処理剤(粉体の表面をコートして、粉体を油と馴染みやすくする原料)です。

・ステアリン酸:中和すると洗浄剤となるが、そのまま使うと固形の油としての効果でエモリエント剤になる。また、粉体の表面処理剤(粉体の表面にコーティングされ、油と馴染みやすくする試薬)として、使われることがある。アクアブースター技術の中では重要成分。

 

紫外線吸収剤

・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル:UVB吸収剤。1960年代から使用されている。

・エチルヘキシルトリアゾン:1990年代から使われている、比較的新しいUVB吸収剤で、光安定性が高いこと(日光で分解しにくい)、肌刺激が少ないことを特徴としています。

・ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン

・ジエチルアミノ ヒ ドロキシペンゾイル安息香酸へキシル :UVA吸収剤。日本では、2005年から使用許可されています。

・オキシベンゾン-3:医薬部外品での名称はオキシベンゾン。光で分解される事が知られている、古い世代の紫外線吸収剤(主にUVB吸収)。

厚労省が出しているSDS(安全性データシート)では、皮膚感作性ありと記載されており、光分解しない多様な紫外線吸収剤がある現在では、使用すべきでは無い原料。実際にほとんど使われていないが、大きなメーカーでも使っているところがある。例えば2018年発売の資生堂のアネッサ パーフェクトUV スキンケアジェルなど。

安全データシート(2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシフェニル)(フェニル)メタノン

http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/131-57-7.html

また下記まとめサイトが詳しい

オキシベンゾン-3とは…成分効果と毒性を解説

https://cosmetic-ingredients.org/uv-protect/オキシベンゾン-3の成分効果と毒性/

そのほか、ややひヒステリックではあるが221年からハワイで使用禁止となる可能性がある。

ハワイ、日焼け止め禁止 サンゴ礁保護で2021年から

https://www.sankei.com/world/news/180704/wor1807040015-n1.html

 

乳化剤

(アクリレーツ/メタクリル酸メトキシPEG-90)クロスポリマー

・PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル:プルロニック型とも言われる、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールが結合された原料で、可溶化力の高い。水溶性なので乳化剤というか保湿剤というか微妙な成分。しかし資生堂さんではこの原料に「アクアインプール」という商標をとり、特許も申請しています。

角層状態の評価方法、及び化粧料の角層改善効果についての評価方法(公告番号    WO2014112643 A1)

http://www.google.com/patents/WO2014112643A1?cl=ja

またステアリン酸とともに、アクアブースター技術のキー成分にもなっています。

資生堂アネッサ パーフェクトUV アクアブースターの解析 番外編 FJの資生堂の報文を読む2017.6.10追加

http://ameblo.jp/kesyouhinken/entry-12282367924.html

・ジステアリルジモニウムクロリド:カチオン界面活性剤。乳化安定機能は高い。今回の配合目的は含水シリカの表面処理剤だと思われる。

 

粉体

・(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー:トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートを反応させて得られたポリマーを粉末にしたもの。なめらかで、滑りのよい感触であることから、ファンデーションなどメークアップ化粧品の基剤として多く用いられています。

・酸化チタ ン:紫外線散乱剤。白浮きするが、単独でも高い効果がある。使用感としては、きしむ感触となる。

・含水シリカ:シリカの水和物。用途としてはシリカと変わらず、研磨・スクラブ剤、吸着剤、不透明化剤、増粘剤などの用途に用いられる。

・シリカ:別名を無水ケイ酸とも呼ばれる親水性性の粉体。微粉末で、ふんわりした感触と不透明さを併せ持つ。各種メイク品の他、クリーム、乳液や歯磨き粉など幅広く使われる。

 

防腐剤

・フェノキシエタノール:比較的低刺激な防腐剤。ナチュラル系の化粧品に使用される事も多い。

当ブログでは、安全性については以下のエントリーで詳しく書いてます。

プロピルパラベンの安全性についての文献を紹介

http://ameblo.jp/kesyouhinken/entry-12119450565.html

・安息香酸Na:広く使われている、比較的低刺激な防腐剤。食品にも使われる。

 

・水:精製水のこと。化粧品では通常、イオン交換水が用いられている事が多い。

・エタノ−ル:日焼け止めの原料として、ジェル系日焼け止めや、ウォーター系の日焼け止めでは汎用されている。乾燥速度を高めるために配合されている場合が多い。

・グリセリン:安全性に優れた、汎用的な保湿剤。

・キサンタンガム:糖類をキサントモナス属の菌に与えて作らせる、微生物由来のポリマー。構造としては酸性多糖類の一種で、増粘剤として化粧品に広く使用される。

・ラウリルベタイン:ヘアシャンプーによく使われるコカミドプロピルベタインを単純化したような構造の洗浄剤。コカミドプロピルベタインに比べて、刺激性は若干高いが、泡立ちは若干良好。日焼け止めに配合されるのは珍しいが、コアコロナ型乳化剤の乳化の右直が低いため、その補助で配合され他のでは無いかと思われる(両性洗浄剤やアニオン洗浄剤は乳化剤とは見なされないことが多い)

・チャエキス:緑茶のエキスで効能成分としてタンニン、アミノ酸、ビタミンCカロチン等が含まれ、酸化防止剤、皮膚コンディショニング剤等に使用される。

・サクラ葉エキス:サクラの葉から得られるエキス。抗アレルギー効果や抗炎症効果、また刺激緩和効果が認められている。そのほかアンチエイジング効果や美白効果、育毛効果も研究されており、マルチな効果をもつエキスとして知られている。

・力二ナバラ果実エキス:ノバラ(ローズヒップ)より抽出されたエキス。。保湿性が高い。

・・アセチルヒアルロン酸Na:天然|l1来のヒア ルロン雌にアセチル基を導入することにより、皮膚への親ホl1性が高め、使用感と角質柔軟効果を向上させた素材です。スーパーヒアルロン酸と呼ばれることおあります。

・トルメンチラ根エキス:ヨーロッパで古くから民間薬として使われている、トルメンチラの根から抽出されたエキス。抗炎症、抗炎症作用のほか、タンニンを多く含む含むため収斂作用や抗菌作用を示す。

・アロエベラ葉エキス:アロエベラの葉のエキスで、粘液質に多糖類を多く含も保湿性が高いエキスである。アロエは火傷や傷などの皮膚損傷の治療薬として昔から使われてきたが、化粧品として使用しても、荒れ肌改善効果や、日焼けによる炎症の改善などに効果がある。最近の研究では、①加水分解ヒアルロン酸の皮膚浸透を高める作用、②角質層の奥深くまで成分を届ける作用

等が報告されており、その効果が深く解明されている。

・水溶性コラーゲン:動物や魚から得られる、、水可溶性の天然タンパク。

・PPG-17::ポリプロピレングリコールの1種。水を改質し若干の油性感を与える成分。

・カルボマー:アクリル酸系のポリマーで化粧品では最も良く使われているポリマーの一つ。

・カンテン:食品の寒天のこと。これを使う事で、乳化物のべたつきを抑えられるという花王さんの特許有り(現在未査定)。

水中油型乳化組成物

http://astamuse.com/ja/published/JP/No/2014031328

水酸化K:アルカリ剤。

・(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー:アクリル酸基を持つ増粘剤で、化粧品でよく使われるものの一つ。乳化物を安定化させ、分離しにくくする機能を持っている。

・BG:汎用的な保湿剤。可溶可能も高い。

・BHT:特に紫外線吸収剤の安定性を保ち、日光による着臭や着色など製剤の劣化を防ぐ。

 

 

資生堂クレ・ド・ポー ボーテ ムースネトワイアントC(2016)の解析

$
0
0

化粧品犬です。

 

忙しくて更新がまばらにになって、申し訳ない。

 

昨日、仕事が一山越えたので久しぶりに更新します。

 

といっても次の山(締め切りという名の山)が目前(^_^;)

なので今回は、自分の勉強を、丸出ししていくスタイルで(^_^;)、書いていきます。

申し訳ありませんが、お付き合いください。

今回はこの1回で完結です。

 

 

最近洗顔フォームを頼まれる事がありまして。

化粧品犬は出身が味の素という事もあり、アミノ酸系洗顔フォームを提供する事が多いのです。

アミノ酸系洗顔フォームフォームは、処方を作れる人が滅多にいないので、非常に喜ばれたりします。

 

しかし大体その次は、「次は石けん系の洗顔フォーム作ってね〜」となるんですよ。

石けん系の洗顔フォームってのは、脂肪酸主剤で作られる洗顔フォームです。

洗顔フォームってのは、実はアミノ酸系洗浄剤が主剤で作られるアミノ酸系洗顔フォームか、石けん系の洗顔フォームしかありません。

自然な流れではあるのですが・・・

化粧品犬は、実は石けん系の洗顔フォーム・・・作ったことがありません(^_^;)

いや作ったことはあるけど、処方を考えた事は無い。

 

そんなわけで勉強のため商品を解析してみる事にしました。

どうせなら高級品がよじゃろうと言うわけでセレクトしたのが、今回取りあげる、資生堂のクレ・ド・ポー ボーテ ムースネトワイアントCです。

分かりにくいけどクレ・ド・ポーの洗顔フォームです(^_^;)

 

クレ・ド・ポーの普通の洗顔フォームは、2種類あって

 1.ムースネトワイアントC(クリアタイプ)

 2.ムースネトワイアントA(保湿タイプ)

のように分かれています。

クレ・ド・ポーは古いブランドですが、この2製品は比較的最近リニューアルされていました(2016年リニューアル)

 

ネトワイアントというのはフランス語で、英語ではCleaner(クリーナー)に相当する単語です。

あと、ムースとなっていなすが、実際にはムース状で無く普通の洗顔フォームです。

 

今回はムースネトワイアントCをチョイスしました。

 

処方を作る観点から、ざっくり簡単に解析して行きます。

ついでに2のムースネトワイアントAも、簡単に抑えていきます。

 

ではまず、ムースネトワイアントCの全成分を書き出します。

 

(ムースネトワイアントCの全成分)

水,ミリスチン酸,グリセリン,ステアリン酸,水酸化K,ソルビトール,DPG,ラウリン酸,PEG-6,PEG-32,ジステアリン酸グリコール,ステアリン酸グリセリル(SE),結晶セルロース,ココイルメチルタウリンNa,トレハロース,PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル,ポリクオタニウム-39,メントール,シャクヤク根エキス,シルク,セリン,ダイヤモンド末,アセチルヒアルロン酸Na,ポリクオタニウム-51,加水分解シルク,加水分解コンキオリン,イソステアリン酸PEG-60グリセリル,ポリグリセリル-4ラウリルエーテル,EDTA-2Na,BG,パール,トコフェロール,テアニン,安息香酸Na,安息香酸,フェノキシエタノール,香料,酸化鉄

 

 

また、いつものように裏面を整理します。

 

今回は、同時にリニューアルされた、ムースネトワイアントA(保湿タイプ)(2016年)の裏面表示も整理し、ムースネトワイアントC(クリアタイプ)(2016年)と併記してみました。

 

原料の機能毎にパート分けし、パート内の表記順番は裏面のまま変えずに記入しています。また共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

 

こんな感じになりました。

 

まず針状剤のパートを見ると今回取りあげるCの方は、多い方からミリスチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸の順になっています。

この3つは、泡だちの面では

  ラウリン酸>ミリスチン酸>ステアリン酸

であり、特にラウリン酸が飛び抜けて泡立ちがいいのですが、一番刺激が強い洗浄剤でもあります。

この量をどの程度に抑えるかが、洗顔フォームも処方のポイントになります。

また出来る洗顔フォームの硬さを考えると、

  ステアリン酸>ミリスチン酸>ラウリン酸

の順になり、ステアリン酸が多すぎると硬くてぼそぼそのものになり、ラウリン酸が多いと粘度が緩く、液体に津かくなります。なので洗顔フォームは、そのバランスが大切になります。

 

ここからはちょっとお難しくなります(^_^;)

洗顔フォームになる脂肪酸量を考えると、ミリスチン酸+ステアリン酸の合計で、で10〜30%ぐらいでしょう。これより多いとボソボソになってしまいますし、少ないとクリーム状になりません。間を取って16%とし、またミリスチン酸と[ステアリン酸の分子量はそれほど大きな違いは無いので、ミリスチン酸にあわせ228とします。

これを中和する水酸化Kの量は水酸化Kの分子量が56なので、16×56/228=3.9(%)となり、四捨五入して4%となりますね。

この水酸化K=4%を、最初に上げた(ムースネトワイアントCの全成分)の水酸化Kに当てはめると、「水酸化K,ソルビトール,DPG,ラウリン酸」の順に並んでいるので、ラウリン酸の配合量は4%以下。

ソルビトール,DPGの後なので、おそらく2〜3%配合と言うことが分かります。

ラウリン酸の後は、(ムースネトワイアントCの全成分)では、「ラウリン酸,PEG-6,PEG-32,ジステアリン酸グリコール」と続くのですが、このジステアリン酸グリコール(パール化剤)は大体2%ぐらい配合されることが多く、これもラウリン酸は2〜3%配合と言うことと整合性が取れています。

 

というわけで洗浄剤組成は

 ミリスチン酸+ステアリン酸  16%±4

 ラウリン酸         2.5%±0.5

 ココイルメチルタウリンNa   1%以下

ということが分かります。

 

面白いのはミリスチン酸+ステアリン酸の内訳で。

ネトワイアントA(保湿タイプ)とネトワイアントC(クリアタイプ)を較べると、ネトワイアントA(保湿タイプ)はステアリン酸が多く、ネトワイアントC(クリアタイプ)は逆にステアリン酸が少なくなっているんですよね。

この2製品、ここ以外は大きな違いは無いです(^_^;)

つまりしっとりタイプの洗顔フォームを作るときはステアリン酸を増やす、のが資生堂のやり方な訳です。

これがとても興味深い。

ただステアリン酸が多くなると、どうしても硬くなり泡立ちが悪くなるのですが、それを補うために、ネトワイアントA(保湿タイプ)にはラウリルベタイン(シャンプーなどで使われることの多い両性洗浄剤)が追加されていますね。

 

ここまでで処方の基本が決まってしまいます。

なので後は簡単に、気になる原料を説明して行きますね。

 

次はオイル類のパート。

ジステアリン酸グリコールは、パール光沢のでる固形油。

ステアリン酸グリセリル(SE)は弱い乳化力のある固形油です。これで全体を滑らかにまとめています。

 

粉体のパート。

結晶セルロースが配合されています。歯磨きとかに使われているやつですね。

 

 

最後に保湿剤コンディショニング剤のパート。

資生堂らしくPEG-6とかPEG-32十かがやたら使われていますが、これらはグリセリンやソルビトールの仲間的な位置付けで使われていて、クリーム状に析出をさせるために使われているものです。

 

また資生堂らしくPEG/PPG-14/7ジメチルエーテルも使われていますね。これはアネッサでもアクアブースター技術のキー成分として配合されていたものです。最近オン資生堂製品では、本当に何でも入っているのです。

 

説明は以下の公式をどうぞ。

アクアインプールl

 

これで終了です。

 

化粧品犬の[勉強にお付き合いくださり、ありがとございました(^_^;)

しかしクレドポーって高いですねアマゾンで6000円ぐらいしました。

悪い製品ではないが、、、さすがに、ぼったくりすぎ(^_^;)

 

 

ステラシード アミノメイソン モイスト ホイップクリーム シャンプー/トリートメントの解析

$
0
0

化粧品犬です。

 

まただいぶ間が空いてしまった・・・すみません(^_^;)

 

今回はラムちゃんさんからリクエストを頂いたので、ステラシード社のアミノメイソン モイストシャンプー・トリートメントを取りあげます。発売日は2017/10/11です。

 

正式名称は、シャンプーが

 アミノメイソン モイスト ホイップクリーム シャンプー

トリートメントが

 アミノメイソン モイスト ミルククリーム トリートメント

になります。うーん、長過ぎ(^_^;)

それに「ホイップクリーム シャンプー」に対して、トリートメントが「ミルククリーム トリートメント」ってのが、対称になっていなくて、わかり辛いなあ(^_^;)

 

とりあえず外観はこんな感じの製品です。

 

外観

 

これはなかなかおしゃれ感が高い。

容器に大変拘っているのが分かります。

 

価格は1400円/450ml。やや高いですね。

ただ成分的には高価なものを多用しているので、やむを得ない感じもします。

 

 

また今回は取りあげませんが、2018/3/18にバリエーションとしてサラサラタイプも発売されています(アミノメイソン スムース ホイップクリーム シャンプー/スムース フルーツクリーム トリートメント)。

アミノメイソンスムースシリーズですね。

こちらの容器も良く似ているので、店頭で買うときは気をつける必要があります。

 

そもそも、シャンプーとトリートメントの容器自体も、似ているんですよ。

購入するときは中身が入っているので間違えませんが、空の時は良く似ています。

なにしろステラシード自身、生産時に間違えてしまい、回収騒ぎになったほどです。

回収:ステラシード「シャンプー」(トリートメントのボトルが混入)   2018/2/22

 

またおしゃれな容器なのですが、初期の頃には不良もあったようで、その時も回収しています。

回収:ステラシード シャンプー一部 ポンプストロー変形 2017/09/12

 

結構、生産体制に難がありそうですね。

ステラシードさんはアハロバターシリーズを発売した頃は、製造販売業の許可を取っておらず、コスメカンパニー社に生産をを委託するかたちだったのですが、現在では自社で製造販売業の許可をとっています(生産工場は作っていないようですが)。

そうすると、生産の下請け先などの自由度が増すのですが、管理することも多くなるので、その辺りが原因で二度の回収をい招いてしまったのかもしれません。

ただ中身の問題で回収と言うことではないので、中身についての心配は要りません。

 

概要

この製品は、「怪しいコンセプト成分配合」(^_^;) ということと、理美容向け的な「堅実なアミノ酸系シャンプー」という、二つの面を持っています。

まず怪しいコンセプト成分の方を、ニュースリリースから見てみましょう。

 

ニュースリリース

西海岸で話題のアメリカランキングNo.1(*)Next Botanical Hair Care日本デビュー!新ヘアケアブランド「アミノメイソン」全5アイテム

 

「アミノメイソン」全5アイテムは、“脱パサパサ宣言!”をキーコンセプトに、スーパーアミノ酸処方と豊潤なボタニカル原料、アボカドやチェリモヤといった森のミルククリームなど、リッチな成分をブレンドした、もっと潤う“Next Botanical Hair Care”です

 

ボタニカル成分や、アボカドなどの半固形油などが配合されているのですが、意地悪な言い方をすれば、この辺りは同社の過去のヒット製品アハロバターシリーズと同じです。

。チェリモヤはアメリカなどで栽培されている、実が白くて甘い果実です。

 

またアボガド油は実は動物に対しては毒であるが、人間はおいしく頂ける変わった果物である事が知られています。これについては詳しいことはわかってなく、人間がおいしく頂けるならイイと思うのですが。

ただ化粧品の観点からは、アボガド油は人によっては感作(アレルギー)を起こす成分として有名です。

この感作性は強くはないのですが、特にラテックス(ゴム)アレルギーや白樺の花粉アレルギーの人は要注意です。

アボカド油とは…成分効果と毒性を解説-化粧品成分オンライン

 

 

「アミノメイソン」は、水分保持とダメージ補修のためにアミノ酸とケラチンをプラチナに結合させたオリジナル成分 “スーパーアミノ酸”を開発。キューティクルの内側までアミノ酸を補給します。

 

この製品の1番のとんでも成分が、この、「アミノ酸とケラチンをプラチナに結合させたオリジナル成分 “スーパーアミノ酸”」です(^_^;)

株式会社JOHZENと言う会社に似たような原料があるので、そこに頼んで作って貰ったのかなと思いますが。

プラチナマリンコラーゲン

 

本当に何らかの効果があるかどうかは分かりません(^_^;)

まあ白金は、アレルギーの出やすい金属ではないので、安全性上の懸念はありません。

あと、アミノ酸やケラチンとしての効果はあると思います。

 

また、“森のバター”と呼ばれるアボカドと“森のアイスクリーム”と呼ばれるチェリモヤのミルクタンパク質・カゼインと、生シルク&生ケラチンでタンパク質の流出を防ぎ、ダメージを補修。美髪に導く潤い成分で毛先までケアし、髪を守ります。

 

タンパクやバター(半固形油)は、配合量にもよりますが、ヘアケアには効果的な成分です。

とくにこの製品のトリートメントには、結構多く配合されているようで、使用感に寄与しているようです。

 

全体として、スーパーアミノ酸(白金+アミノ酸・タンパク)が、インパクトは強いです(^_^;)

怪しいとしか言いようがない(^_^;)

 

次にこの製品の、もう一つの面である「堅実なアミノ酸系シャンプー」について書きます。

マジこのシャンプーの全成分は以下の通り。

 

(モイスト ホイップクリーム シャンプー全成分)

水、ラウロイルメチルアラニンNa、コカミドプロピルベタイン、コカミドメチルMEA、グリセリン、ハチミツ、加水分解カゼイン、加水分解乳タンパク、ヨーグルト液(牛乳)、アーモンド油、アルガニアスピノサ核油、マンゴー種子油、アボカド油、オレンジ油、カキタンニン、加水分解チェリモヤ果実エキス、加水分解マンゴスチン果実エキス、加水分解マンゴー液汁エキス、ウメ果実エキス、シルク、加水分解ケラチン(羊毛)、加水分解コンキオリン、タウリン、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa、ヒドロキシプロリン、アセチルヒドロキシプロリン、リシンHCl、乳酸Na、乳酸、ケラチン(羊毛)、グルタミン酸、ロイシン、ヒスチジンHCl、セリン、バリン、アスパラギン酸Na、トレオニン、アラニン、イソロイシン、アラントイン、シスチン、フェニルアラニン、クオタニウム-18、アルギニン、プロリン、ベヘントリモニウムクロリド、チロシン、γ-ドコサラクトン、イノシン酸2Na、グアニル酸2Na、ヒアルロン酸Na、ダイズステロール、白金、グリシン、フィチン酸、酸化銀、クエン酸Na、PPG-7、ラウリルグルコシド、プロパンジオール、クエン酸、塩化Na、ポリクオタニウム-10、安息香酸Na、EDTA-2Na、BG、フェノキシエタノール、香料

 

水の次に多いのが、ラウロイルメチルアラニンNaとなっています。

lこの洗浄時は、ピジョンのベビー泡ソープも使われていつもので、かなり低刺激で泡立ちもまずまず。そして値段はかなり高いです。

低刺激という点では、ジュレーム等に配合されている、アシルグルタミン酸には負けるのですが、泡立ちは若干ですが勝っており、逆に値段はアシルグルタミン酸より高い(^_^;)

アシルグルタミン酸と同じぐらい古い洗浄剤なのですが、値段が高止まりしてしまったのが、いまいち藤生しない原因だと思います。

また、コンディショニング剤を髪に引きつける力も、アシルグルタミン酸に較べて弱い。しかしこれは考えようによっては、髪にコンディショニング剤か蓄積して、髪がごわつくのを、微妙にですが避けられるということでもあります。

ただ若干泡立ちが良いとか、微妙に蓄積を避けられるとか、微妙な優位せいなので、効果をはっきり出すにはある程度の配合量が必要なのです。

でも、値段は高い(^_^;)→やはり不採用、、、か、あまり効果の出ない低配合ですか使おう、となりがちなのです。

そのラウロイルメチルアラニンNaを、これだけ多く配合するなんて、ステラシードさんは偉いです。

おかげで、ラウロイルメチルアラニンNaに良さを引き出せています。

 

 

@cosme評価

クチコミ 1137件、注目人数 1854人、評価点5.3点。

シャンプー・コンディショナー部門のランキングは、なんと1位です(2018/8/14閲覧)

すごいですね。

化粧品犬が店頭で見た実感でも、売れてます。

また通販を禁止してるらしく、買いにくくて仕方ないです(^_^;)

売ってるところもプレミアム値段をつけてたりするし。

ヨドバシカメラ2店回ったが買えず、逆に近所のドラッグストアで買えました(^_^;)

 

使用感など

上の方でも書きましたが、アミノ酸系にしては髪が重くなりにくく、長期間気持ちよく使えるシャンプーです。

泡立ちはやや少ない感じもしますが、これはアミノ酸系の洗浄剤は一般的にCMC(最少ミセル濃度。泡を形成するための最少の濃度のことです)が高めな為なので、少し多めに使えば急に泡立ちが良くなります。

 

ただ使い始めた頃のインパクトは、同じアミノ酸系のアシルグルタミン酸を使ったシャンプーの方が、大きいですね。

やはりすすぎの滑らかさとかは、アシルグルタミン酸の方が優れているんですよ。

そう意味では少し使ってからの方が、このシャンプーの良さが出てきます。

 

またここまであまり触れませんでしたが、トリートメントについても少し触れておきます。

このトリートメントは、最近のトリートメントでは定番のコンディショニング剤である、ベヘントリモニウムクロリドの配合量を敢えて下げて、油性成分多めで堅めに仕上げたトリートメントですね。濃厚な使用感がなかなか良いです。

でも別にベヘントリモニウムクロリドの配合量を下げなくても出来たはずなので(ベヘントリモニウムクロリドは、それ自体で油性感が強く、粘度も上がりやすい)、むしろその方が更に乾燥後の保湿感が上がって、更に良くなったのでは??と思います。

まあ小さいことですが。

 

まとめると、長期間快適に使えるシャンプー・トリートメントですね。

ちなみに自分はこれまで10日ぐらい使っています。

次回はシャンプー解析編です。

 

 

 

 

 

 

Viewing all 407 articles
Browse latest View live